2012年1月20日

コニサーズクラブ(11/12/25)テーマ「グレングラント」

山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。

モルトの会、テイスティングノート

2011.11.20 スタンドバーにて
 今月のお題は、「グレングラント」である。  いわずと知れたビッグネームである、過去にも数回登場していることからボトラーズ物も豊富に出回っていると言えよう。
 グレングラントといえば、シェリーカスクという印象が強いが、実はバラエティー豊かなモルトがたくさんリリースされている。
 今回もそんな印象は変わらないが、そのレベルが違うのである。5本トータルでの熟成年数が185年、平均年数で37年である。この記録は今後しばらく更新されることは無いであろう。
 そんなスペックにたがわずモルトのレベルが高かったことをここに報告しておく。

 さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] オールドモルトカスク グレングラント ブランデーバット 1975-2010 one/371 50% ***

(香り) トップノートで感じるのは、たいへんシャープな印象。しだいにキャラメル香が出てきてふくよかな香りに変わってくる。さらにいくつものフルーツが現れる。奥には軽いピート香と、さりげない熟成香。  しばらくグラスを廻していると、キャラメル香が強くなる。キャラメルとは樽のキャラクターが違うが、シェリーカスクのえぐみも出てくる。

(味)  シェリー樽の個性、焦げたゴムの一歩手前。たいへんトースティ、やや単調ではあるが熟成は感じられる。奥にはしっかりとしたフルーツ。

*** [No.2] ダンカンテイラー ピアレス グレングラント オーク 1969 41年 53.7% ***

(香り) エレガントなエステル香が印象的だ、たいへん上質に感じる。さわやかに、かつ甘く香る熟成香。  たいへんウッディに香る。かすかに伽羅の香りも、ミズナラ樽熟成か。

(味)  ウッディでほろ苦い、深々とした味わい。素晴らしい熟成感と酸味。さらには数種類のフルーツがあらわれ、たいへん複雑な含み香。

*** [No.3] ダンカンテイラー レア・オールド グレングラント 1974-2009 65/220 34年 54.5% ***

(香り) フルーツの競演、わずかにキャラメル香。しばらくするとさらに香りは開いてきて、木の香りが広がる、ウッディとは表現しない木の香りである。シャープなウッディとでも言っておこう。  時間とともに木の香りは数を増す。

(味)  酸味、甘み、ウッディの三拍子に酔いしれる。たいへん心地よいモルトである。

*** [No.4] ザ・パーフェクトドラム グレングラント EXシェリー・ホッグスヘッド 1/148 1972-2011 39年 51.1% ***

(香り) 高級な梅の香り、いままで味わったことの無い香りだ。爽やかであでやか。奥にはかすかにピート。

(味)  フルーティー・アンド・フルーティー。良い意味での、ぴりぴりとしたシャープな味わい、アルコール感とは別の物である。  かすかにピートがスパイスとなっている。

*** [No.5] ウイスキーエイジェンシー グレングラント シェリー 1/251 1973-2010 36年 53.6% ***

(香り) エレガントなフルーツがいくつも香る。時折わずかなピート香が現れる。素晴らしい熟成感がさりげなく香り、通好みの一本である。しばらくするとバニラ香も感じられる。

(味)  甘酸っぱい味わい、フルーティーが前面に出るが熟成感も十分だ。旨み成分もしっかり感じ取れる。

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2011年12月30日

コニサーズクラブ(11/11/20)テーマ「グレンマレイ」

 グレンマレイ山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。

モルトの会、テイスティングノート

2011.11.20 スタンドバーにて
 今月のお題は、「グレンマレイ」である。

 なんともマイナーな蒸留所ではないか、そのくせオフィシャルボトルはたくさんリリースされている。そんなボトルを飲んだ事が無いというのがマイナーたる所以ではないだろうか。

 オフィシャルボトルはずいぶん前に何種類かテイスティングしたことがあるが、どれもドライかつアルコール感が強く、香りの数が少ないことから、これと言った印象が無い。

 そんなグレンマレイではあるが、ボトラーズものとなると、また話が変わってくるからおもしろい。今回の色の濃いモルトには、ジャパニーズ・モルトを彷彿とさせる香りを感じた。

 またスペルが良く似たグレンモーレンジと、オーナーが同じなのも興味深いところである。

 さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] SMWS No.35.24 1998-2008 10年 59.5% ***

(香り) まず、ミントの香りが立ってくる、ただし香りの立ちは遅く、そのほかの香りが出てこない。しばらくすると南国フルーツがほのかに香ってくる。奥にはほんの僅かな熟成香も。

(味)  ミントの含み香が口に広がる、古い樽の香りも。やはり南国フルーツが広がり、明るい雰囲気である。旨み成分も多い。

 さて、2008年3月のSMWSの試飲会で同じモルトをテイスティングしているので、ここに紹介しておく。ラベルを見てテイスティングしたせいか、直前に飲んだモルトに影響されているのか、なんともまあ印象が違うものである。ご参考にされたい。
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(香り) シャープな香り、スパイシー。香りの数は少ない。アルコール感が強い。

(味)  ニューポットの香り、非常に若い香りだ。砂糖水の個性。
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*** [No.2]ゴールデンカスク グレンマレイ 1990-2004 cask no.4561 34/128 61.3% ***

(香り) ミントとハッカのトップノート、そしてさわやかフルーツ。いっけんライトな感じに思われるが、キャラメル系のまったりした香りもある。

(味)  甘さがしっかり感じられる、主役はこってりとしたフルーツだ。ただしそれほどフルーツの数は多くない。うまみ成分が多い。

*** [No.3] SMWS No.35.34 1/281 13年 57.0% ***

(香り) きわめてエステリー、バーボン樽の個性か。しばらくするとキャラメルの甘い香りが立ちこめる。かすかにハッカが感じられ、アクセントが付いてバランスしている。  しばらくすればウッディな熟成香が立ってきて、たいへん深みのある香りとなる。

(味)  渋味や苦味が強いがけっしてマイナスイメージでは無い。ウッディな樽香も心地よい、ピートもわずかに感じられる。  しばらく飲んでいると、さすがに渋味と苦味がつらくなってくる。

*** [No.4] ダンカンテイラー ピアレス グレンマレイ cask no.64 9/214 1975-2010 35年 52.7% ***

(香り) エステリーかつまったりとした香り、バーボン樽熟成か。わずかにミントやハッカの香りも。  エステリーにマスキングされて、他の香りがマスキングされているようにも感じる。

(味)  フルーティー・アンド・エステリー。こってりとした含み香としっかりした旨み。フルーツは南国系で、いく種類かのミックスである。

*** [No.5] ウイスキーエイジェンシー グレンマレイ exバーボン 1/301 1973-2010 36年 53.1% ***

(香り) こってり感と濃いエステル香。ただし、たいへんエレガントである。バランスするように適度のピートを感ずる。もっとたくさんの香りを期待したが、意外と単調である。

(味)  渋味が強い。こってりとした味わいが強く、ざらざら感もある。旨み成分も多い。渋味は、熟成由来のものと感じられる。

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2011年11月9日

コニサーズクラブ(11/10/23)テーマ「グレンドロナック」


グレンドロナック山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。

モルトの会、テイスティングノート

2011.10.23 スタンドバーにて
 今月のお題は、「グレンドロナック」である。

 グレンドロナックといえばシェリー樽熟成を思い浮かべるのは、やはりオフィシャルボトルがシェリーを使ったものが多いからであろうか。
 シェリー樽ばかりがセラーの中で眠っているのでは無かろうが、今回の5本もシェリーが大半であった。 そんな5本ではあるが、最後まで蒸留所を言い当てることが出来なかったのは、いまひとつ個性が無いからであろうか。

 さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] オールドモルトカスク グレンドロナック リフィルバット 1995-2010 one/240 14年 50% ***

(香り) やや臭みのあるトップノートだが、しばらくすればミントの香りに消されてしまう。ドライな印象であるが、時間がたてばミルキーなキャラメル香が支配する。奥にはシェリーのえぐみも感じられる。

(味)  旨みが強く味わい深い。加水するとフルーツが現れるが意外にドライと感じる。

*** [No.2]シグナトリー グレンドロナック ホッグスヘッド 19977-2005 cask no.3720 7/147 27年 47.5% ***

(香り) ミントとフルーツのトップノート。その後、注意深くノージングすれば、たくあん系の臭みが感じられる。  しばらくグラスを回していると、そんなマイナーな印象は消えていき、青空の清々しさが香ってくる。

(味)  フルーティーであるがドライ、味の数が少ないのであろうか。加水すればフルーツの数が増えていくことを感じとれる。

*** [No.3] ダンビーガン グレンドロナック ホッグスヘッド 1975-2009 cask no.1704 34年 47.8% ***

(香り) トップノートは甘い香り、シェリー樽であろうか。えぐみが感じられるが、しだいにエステリーな香りが強くなり、マイナスイメージは消えていく。

(味)  ウッディな熟成感が素晴らしいが、押し出しの強いものではない。上品な長期熟成といえよう。  加水でぐっとフルーティになる。たいへん味わい深いモルトだ。

*** [No.4] オフィシャルボトル グレンドロナック オロロソ シェリー 525/604 1993-2009 16年 61.0% ***

(香り) えぐみが強いが、濃いフルーツが支配的である。シェリー、あるいはポート樽か。エステリーではあるが、焦がした砂糖の香りも強く極めてトースティ。甘い香りも強い。

(味)  やはりポートかシェリー樽の個性。きわめてトースティな味わい。

*** [No.5] ウイスキーエクスチェンジ グレンドロナック シェリーバット 1/570 1994-2009 15年 61.8% ***

(香り) 甘く、焦げた砂糖菓子の香り。シェリー樽の印象。

(味)  ドライでアルコール感が強く、味の数は多くない。

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2011年10月23日

コニサーズクラブ(11/9/25)テーマ「リンクウッド」

リンクウッド山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。

モルトの会、テイスティングノート

2011.8.28 スタンドバーにて
 今月のお題は、「リンクウッド」である。

 リンクウッド なんて繊細で、かつふくよかさをイメージさせる韻であろうか。それほどメジャーな蒸留所ではないが、そんなネーミングからか、飲む前から期待に胸を躍らせてしまうのである。
 爽やかなフルーツ香と、エレガントなシェリー樽由来の香り、まったりとふくよかなキャラメル香、そんな印象をリンクウッドにはもっている。

 今回の5本もそんな期待を裏切らないものであったといえる、ただし期待の強すぎた方々には多少の裏切りはあったのかもしれない。

 さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] ブラッドノックフォーラム リンクウッド ホッグスヘッド cask.no 1625 1984-2010 213/264 26年 53.2% ***

(香り) まず質の高いフルーツが香る、追ってミント系のシャープな香りが立ってくる。しばらくすれば甘い香りに満たされるが、ほどよいものだ。軽いピート香が感じられる。

(味)  言葉は悪いが「どす甘い」そんな味わい。トースティな印象もある、ただしシェリー樽由来のものとは異質の香ばしさである。

*** [No.2]ダンカンテイラー リンクウッド 1991-2010 cask no.10238 138/278 19年 53.5% ***

(香り) ライトなフルーツ香。ミントの爽やかさを感じながらグラスを回していると、しだいにエレガントな印象になってくる。  奥にはパフュームを感じるが、消えてしまいそうなものだ。軽いピート香と麦芽風味。

(味)  ドライな味わい。やや嫌味な甘さが感じられる。かすかにシェリー樽由来の含み香も。

*** [No.3] エイコーン ギャラリーラウンジシリーズ リンクウッド ホッグスヘッド 1984-2010 cask no.00059 62/120 26年 53.7% ***

(香り) トップノートはエレガントなフルーツ。リフィルシェリー樽によるものだろうか、軽いシェリー香。  ほどよく甘く香り、リラックスできる香りである。

(味)  一転して、味わいはドライである。加水すると味わいは開いてきて、高級フルーツがたくさん出現する。

*** [No.4] ケイデンヘッズ リンクウッド ポート one/256 1989-2010 20年 55.4% ***

(香り) 軽いフルーツ香。ジーンといがらっぽい、軽いピート香であろうか。その後、軽くミントが漂う。控えめなシェリー香はリフィルシェリー樽熟成か。

(味)  ドライフルーツの香り、爽やかミントも。ほど良い酸味が軽い甘さとバランス。旨み成分が強い。

*** [No.5] ウイスキーエクスチェンジ リンクウッド one/287 1988-2008 19年 56.9% ***

(香り) やや若い香り。しだいにエステリーな香りが出てくるが、香りは単調だ。さらに時間が経過すれば、バニラ香が広がるようになる。

(味)  まず酸味を感じたあと、エステリーが広がる。やはり単調な味わい。

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Posted by ophiuchi at 09:59Comments(0)ティスティング

2011年9月24日

コニサーズクラブ(11/8/28)テーマ「ラフロイグ」

ラフロイグ山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。

モルトの会、テイスティングノート

2011.8.28 スタンドバーにて
 今月のお題は、「ラフロイグ」である。  繊細な長熟モルトを静かにじっくりテイスティング。
 この夏の暑いさなかにそんな飲み方は似合わないだろうというマスターのはからいで、今回はしっかりとピートの効いたモルトが集められた。
 もちろん、厳選されたラフロイグなのでピートだけに終わらず、バラエティに富んだ香りが楽しめたのは言うまでも無い。
 オフィシャルボトルを較べれば、ピートの強さではアードベッグやカリラに一歩引けをとっているラフロイグではあるが、ボトラーズとなるとそうはいかない。
 かなり刺激的なピートに、名古屋のひどい暑さも、ひと時忘れたことを報告しておく。

 さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] キングスバリー ラフロイグ 1990 234/234 18年 53.9% ***

(香り) トップノートはハッカにミント、爽やかでエレガントな香りだ。軽いピートを基本とし、トースティな香りも。酸味が程よくバランスしている、しだいにピートは強くなってくる。

(味)  ピートは強いが、酸味と甘みが非常に心地よい。

*** [No.2]ダンカンテイラー ラフロイグ 1997-2010 cask no.66512 131/271 13年 55.1% ***

(香り) 質の高いエステリーなトップノート、たいへん鮮やかに香る。フルーティーな香りも十分であるが、時間とともにまったりとしてきて、甘い香りの個性も楽しめる。

(味)  非常にシャープなピート。香ばしい含み香、酸味がアクセントとなっている。

*** [No.3] ウイスキーエージェンシー ラフロイグ exバーボン・ホッグスヘッド 1996-2011 1/254 15年 56.4% ***

(香り) トップノートはトースティ、程なくピートに満たされる。やや雑味を感じるが、程なくそれは消えて行く。それとともにマスキングされていたエレガントなフルーツが顔を出す。

(味)  甘い含み香。もちろんピートは強く、奥にはやや湿気た味も感じられる。

*** [No.4] ウイスキードリス ラフロイグ バーボン・ホッグスヘッド 1/157 2000-2010 10年 59.1% ***

(香り) まったりと濃い香り、フルーツとキャラメルとトーストが渾然一体。ピートもかなり強く香る。

(味)  アルコール感が強い。甘みを強く感じるがトースティな含み香と相まって心地よい。味の数は多いほうではないが、ピートの効果でドライとは感じない。

*** [No.5] モルツ オブ スコットランド ラフロイグ バーボン・ホッグスヘッド cask no.700272 22/152 1998-2011 59.6% ***

(香り) まったりと濃い目のエステリー、小さい樽で熟成されたと感じる。そのあと強いピートが鼻を抜けていく。

(味)  エレガントな含み香、エステリーでフルーティ。しかしその後、強いピートが押し寄せる。

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Posted by ophiuchi at 13:50Comments(0)ティスティング

2011年8月24日

コニサーズクラブ(11/7/24)テーマ「バルブレア」

バルブレア1107山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。

モルトの会、テイスティングノート

2011.7.24 スタンドバーにて

 今月のお題は、「バルブレア」である。

 個性が強い北ハイランドの中にあって、あまり印象に残らない蒸留所の筆頭ではないだろうか。

 もちろんオフィシャルボトルも飲んだ記憶がないくらいの蒸留所なのである。

 バランタインのキーモルトとなっているのであまり個性の強いものは造らないのかもしれない。

 そして今回の5本はといえば、エステリーな濃い香りを特長としていたが、どことなく特徴が弱く、蒸留所を特定するほどの入力がなかったのも事実である。

 長熟ものが多く出されたが、ピークを過ぎてしまった印象はなく出来自体は悪くない蒸留所といえるのかもしれない。

 さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] ウイスキーエクスチェンジ バルブレア バーボンカスク 1965-2005 cask no.1349 40年 42% ***

(香り) トップノートはセメダイン、有機溶剤系の香りが強い、バーボン樽の個性なのかもしれない。エステリーにマスクされて他の香りが感じ取れない。 奥にはかすかな熟成香が感じ取れる。軽くシェリーカスクの個性も。しばらくするとライチの香りも出てきて、バラエティー豊かな印象になる。

(味)  やはりエステリーでセメダインを感じる。しかし意外にドライでさっぱりしており、かつしばらく味わっていればウッディな熟成感も味わえる。美味いモルトである。

*** [No.2]オフィシャルボトル バルブレア 1969 31年 45% ***

(香り) エステリーで爽やか、フルーティーな個性。かすかにピートを感じる。時間が経てば甘い香りに満たされる、深くまったりとした印象だ。

(味)  味は一転してドライでピリピリしており、甘さは少ない。加水すると軽いピートを感じるようになり、さらにウッディな深みに包まれる。

*** [No.3] エクスクルーシブモルツ バルブレア 1975-2005 29年 46.2% ***

(香り) トップノートはエステリー。奥にはたいへんエレガントな香りがある。しばらくグラスを回していると甘い香りが立ってきて、深いフルーツ香に満たされる。

(味)  たいへんフルーティーで鮮やか、主に桃の香り。加水すればさらにフルーツがあふれ出し、フルーツの競演となる。

*** [No.4] ダンカンテイラー バルブレア オーク cask no.1615 81/222 1991-201 19年 52% ***

(香り) トップノートはやや臭い香り。ただしそれはすぐに消え、エレガントな香りとなる。深みと酸味がバランスしている。

(味)  アルコール感が強い。ドライでさっぱりしている。味の数は多く無い。

*** [No.5] ブラッドノックフォーラム バルブレア シェリーバット cask no.166 27/587 1990-2010 20年 53.7% ***

(香り) こげたゴムの個性、ヌカの香り。イオウ風味。あきらかなシェリーカスクの個性。ただし時間とともにネガティブな部分は弱くはなってくる。

(味)  やはりシェリーカスクの個性、しかし味では焦げたゴムは弱く、下品に感じることは無い。よくできたシェリーカスクと言える。  加水すると、たいへん甘い含み香となる。

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Posted by ophiuchi at 17:56Comments(0)ティスティング

2011年7月22日

コニサーズクラブ(11/6/26)テーマ「ミルバーン」


ミルバーン1106山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。

モルトの会、テイスティングノート

2011.6.26 スタンドバーにて
 今月のお題は、「ミルバーン」である。
 いわずと知れた、インバネス閉鎖蒸留所のひとつである。 閉鎖蒸留所といえば、個性がなく美味いモルトで無いことが多い、しかしインバネスの蒸留所はどれも閉鎖されてしまうには惜しいモルトをたくさん作っていたのである。
 大都会とは言えないが、インバネスの街の中に蒸留所を稼動させるのはたいへん難しいことなのであろう。
 ミルバーンは閉鎖されて25年以上経つので、おのづと長熟モルトばかりではあるが、ウッディで深みのある味わいは悪くないものばかりであった。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] オールドモルトカスク ミルバーン 1969-2005 1/299 36年 50% ***

(香り) トップノートはややヌカっぽい香り、軽いピートなのかもしれない。すぐさまフルーティな香りに満たされる。  しばらくすれば、エレガントな香りに変化してくる。金属を思わせる香りも感じ取れる。キャラメルの香りもあり、たいへん深みがある。

(味)  味わいはウッディで熟成を感じる。ただし複雑な含み香ではなく、比較的ドライな印象である。  枯れた美味さというか、時間を掛けて飲んでいると美味さが増してくるモルトといえよう。

*** [No.2]マキロップチョイス ミルバーン cask no.748 1982-2001 53% ***

(香り) タクアンの香りのトップノート、くさいと表現しておこう。奥にはキャラメルの香りも感じられる。  しばらくするとエレガントなフルーティさも現れるが、再度、臭みも出現する。

(味)  口に含めば、かすかにパフュームを感じる。おおむねフルーティで、酸味が心地よい。トースティな味わいも感じられる。

*** [No.3] シグナトリー ミルバーン リフィルバット cask no.26 435/531 1979-2005 26年 58.1% ***

(香り) トップノートはたいへん高貴な香り、それに実に爽やかだ。甘さを感じさせる香りもいくつか感じられる。  しばらくグラスを回していれば、まったりとウッディな香りも出てくる。香りの数はたいへん多く、すばらしい香りである。

(味)  一転して、味はドライで意外に単純。辛い味わいでフィニッシュも長くない。

*** [No.4] カレドニアン コレクション ミルバーン 1974-2000 25年 58.5% ***

(香り) トップノートは薄い、軽い、そんな印象だ。香りの立ちが遅いのかもしれないが、夏のテイスティングであることを考えると、そうとう立ち方は遅いといえる。  しだいに酸味をともなうエレガントでフルーティな香りが出てくるが、香りはやや単調である。フルーティーさは、ジュースに使う香料の香り。

(味)  味わいではかすかにパヒューム。ウッディを感じるときはあるが、ドライで味の数は多くは無い。

*** [No.5] レアモルト ミルバーン 1975-2001 25年 1975-2001 61.9% ***

(香り) ややくさみを感じるがすぐに消えていく。甘さを感じさせる優しい香り。しだいに明るく爽やかな香りへと変わってくる、酸味がアクセントとなっている。  かすかにキャラメルの香りも見え隠れする。

(味)  たいへん濃いフルーツである、さまざまなフルーツの競演。さらに良い意味での苦味のアクセントがあり、古い年代の蒸留であることを感じさせる。  加水をすれば、フルーティーフルーティー。

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Posted by ophiuchi at 15:19Comments(0)ティスティング

2011年6月30日

コニサーズクラブ(11/5/22)テーマ「ロングモーン」

ロングモーン1105山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。

モルトの会、テイスティングノート

2011.5.22 スタンドバーにて
 今月のお題は、「ロングモーン」である。

 ロングモーン、最も期待され、かつ期待を裏切らない、ひと言で言えばそんなモルトである。

 巷での評価は定かではないが、この会においては特別評価が高い蒸留所のひとつといえよう。

 ウッディかつ心地よい渋味を身上としているが、今回はいつもと較べるとやや出来が悪いかもしれない。まあそれくらい期待されているということである。

  さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] キングスバリー フィネスト・アンド・レアレスト ロングモーン ホッグスヘッド 1980 26年 52.6% ***

(香り) トップノートはエステリーでフルーティ。香りの立ちは非常に早い。やや香ばしい印象もあり香りは複雑である。しばらくするとバニラが見え隠れする。

(味)  たいへんフルーティであるが、甘さはそれほど感じない。やや湿気た味わいもある。フルーツの数はたいへん多く、バラエティ豊かだ。

*** [No.2] ウイスキーエクスチェンジ ロングモーン 1990-2010 1/224 19年 56.4% ***

(香り) ヌカの香りのトップノート、次にトースティな香りが立つ。まったりと香り、シェリー樽の個性もある。しかし、若さ由来のモルティな香りは消し去ることはできない。アルコール感も強い。

(味)  香りと同じくトースティ、アルコール感も強い。ややドライで味の数は少ない。

*** [No.3] SMWS No.7.56 リフィルホッグスヘッド/EXバーボン 1/193 25年 56.8% ***

(香り) トップノートはエステリー。たいへん爽やかな香りで、青空のようだ。ミント、ハーブも感じられる。酸味のある香りは、梅の香りに近い。

(味)  ドライではあるがフルーティー。甘い含み香もある。やや味の数が少ない。

*** [No.4] キングスバリー ロングモーン 1964-1996 cask no.52 31年 59.0% ***

(香り) トップノートは樹液の香り。独特な香りに浸るひまもなくフルーティな香りがいくつも現れる、非常に濃い香りだ。ややトースティな香りもある。  エステリーな熟成香は素晴らしく、香りの数もたいへん多い。さらにバニラの香りも現れる。樽由来のウッディな香りが素晴らしく、香りの余韻は長い。

(味)  味わいでも、フルーティ、エステリー、ウッディの三拍子。バランスを取るための酸味も忘れてはいない。  フルーティでありながらドライな印象は、枯れた大人の味わいというべきか。素晴らしく良い熟成を経たと感じるモルトである。

*** [No.5] ゴードン&マクファイル ロングモーン 1st fillシェリー 1969-2009 cask no.5293 17/405 59.3% ***

(香り) エステリーかつトースティなトップノート。非常に濃い香り、やや単純な香りではあるが、たいへん出来の良いシェリー樽熟成と感じる。

(味)  やはり、エステリーかつトースティな印象。味には旨みが感じられ、含み香はウッディだ。  フィニッシュに近づくと、心地よい苦味を感じさせる。

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2011年6月22日

コニサーズクラブ(11/4/24)テーマ「カリラ」

カリラ1104山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。

モルトの会、テイスティングノート

2011.4.24 スタンドバーにて
 今月のお題は、「カリラ」である。

 とにかくお題として取り上げられることが多い蒸留所であり、北の巨人ハイランドパークと双璧といえよう。流通量も相当多く、ボトラーズの種類も多いのであろう。

 そんなカリラではあるが、今回の5本は香りだけで判断すると軽いピートに多彩な香り、ちょっとピート強めのハイランドモルトと感じた。しかし一転して味はピートが強くアイラものであることを強く意識したのである。

 枯れたピートのモルトもあり、ピートだけに終わらないバラエティ豊かな個性は、とにかくシャープなピートの印象があるカリラに結びつけることはできなかった。長熟のアイラモルトとはそんなものなのだ。

 さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] オールド・モルト・カスク カリラ リフィルバット one/266 1979-2010 30年 50% ***

(香り) トップノートは金属的な香り、イオウの香りも。かすかにピートが感じられる。注意深くすれば、かすかな熟成を感じ取れる。  しだいに臭みを感じる香りに変化してくる。

(味)  やはり味にも臭みを感じる。それを取り除けばフルーティさはある。

*** [No.2] ブラッドノック・フォーラム カリラ ホッグスヘッド one/87 1984-2010 25年 54.3% ***

(香り) トップノートはフルーティ、しだいに甘い香りと香ばしさに満たされる。軽いピート香。キャラメルの香りが見え隠れする、バーボン樽熟成か。

(味)  まずフルーティさが広がる、その後中程度ピートに満たされるがしっかりとした熟成感がある。

*** [No.3] ダンカンテイラー ピアレス オーク 101/223 1982-2009 27年 55.1% ***

(香り) まずイオウの香りを感じる、臭みをともなうが嫌味ではない。アルコール感が強いがドライというわけでは無い。わずかな熟成感が長熟であることを予感させる。  時間とともにエレガントな印象となる。

(味)  中程度のピート。金属を感じる味わい。けっして味の数は少なくは無いが、テイスティングメモの数は少ない。

*** [No.4] SMWS No.53.140 リフィルホッグスヘッド 1/269 1992 18年 55.9% ***

(香り) 香りの立ちが遅い。しばらくグラスを回しているとキャラメルの香りがでてくる。さらに時間を掛けるとしだいにエレガントな香りとなってくる。  中程度のピート香、いがいが感。香りの数は非常に多い。

(味)  強いピートではあるが、それに負けないフルーツ。酸味もたいへん心地よい。

*** [No.5] ウイスキーエクスチェンジ カリラ ホッグスヘッド 1984-2008 24年 58.2% ***

(香り) まず臭みといおうの香り。しだいにフルーティに変化してくる、キャラメル香も素晴しい。    ほどよい酸味がアクセントとなっている。

(味)  フルーティだがドライ。ピートも中程度に効いている。味の数は少なくなさそうだが、ピートにマスキングされている。

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2011年5月27日

コニサーズクラブ(11/2/20)テーマ「キャパドニック」

キャパドニック山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。(山崎さんは2月は欠席され、その後にブラインドテイスティングされました)

モルトの会、テイスティングノート

2011.2.20 スタンドバーにて
 今月のお題は、「キャパドニック」である。

 かなりマイナーな蒸留所ではあるが、あのグレングラントの第二蒸留所である。

 グレングラントといえばシェリー樽熟成の長熟ものが有名で、その色はたいへん濃い。
 しかしただ濃いだけのシェリー樽熟成のものとは違い、焦げたゴム臭は感じられないほどに押さえられ、こくのあるフルーティーさを持ち合わしている。

 そんなグラントのセカンドではあるが、まったく個性の異なるモルトを出してくる。良く言えば通好みの枯れた味わいで、どこか古き時代を感じさせる渋みを持ち合わせている。 主役がいれば影に隠れてしまうような、バイプレーヤー的な印象とでも言っておこうか。だがいつまでも変わらぬ個性を醸し出し続けている、そんな味わい深きモルトではないだろうか。

 さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] ダンカンテイラー RARE AULD キャパドニック 71/205 1970-2009 38年 45.9% ***

(香り) まず感じるのは、香りが薄いということだ。若いわけでは無いので、熟成のピークが過ぎているのかもしれない。
 ミントやハッカの爽やかさが香る。しばらくすると香りが開いてきて色彩感豊かに変化してくる。

(味)  古さを感じさせる渋みが味わえる非常に心地よいものだ、60年代に蒸留されたモルトによくある個性である。シャープなフルーツの味わい。

*** [No.2] ダンカンテイラー オクタブ キャパドニック cask no.417450 1972-2010 37年 46.4% ***

(香り) 香りの立ちが遅く、最初はなかなか香ってこない。しだいにエレガントな酸味とフルーツの香りに満たされる、フルーツの種類は多いが控えめな香りである。
 さらに時間がたてばキャラメル香も感じられるようになる。

(味)  フルーティーではあるがドライである、枯れたイメージ。スパイシーな一面もある。とがったウッディさがフィニッシュで感じられる、もちろん良い意味でのものだ。

*** [No.3] シエルダイグ キャパドニック cask no.8097 1977-2007 29年 50.9% ***

(香り) ややいがいがする、軽いピート香かもしれない。フルーティーで甘い香り。しだいにまったりとミルキーな印象に変わってくる 。

(味)  フルーティーな印象。いくつものミックスフルーツであるが、それぞれの香りは控えめでバランスがとれて口にひろがる。
 上質な渋みが感じられ、長熟であることを予感させる。ただし味の数はそれほど多くない。

*** [No.4] エイコーン ザ・モルト・トリビューン キャパドニック 1972-2009 37年 52.4% ***

(香り) 非常に爽やか、あえて言えば高級なラムネの香り。秋の青空のような澄んだ香り、非常にフレッシュである。しだいに軽くはあるが熟成香が感じられるようになる。

(味)  まずはフルーツが口に広がる。しだいに熟成をともなう、渋み、苦味が感じられる。甘さが無いわけではないが、シャープなフィニッシュだ。

*** [No.5] デュワラトレー キャパドニック バーボン cask no.7339 1/234 1980-2006 25年 53.1% ***

(香り) トップノートはヌカ臭い香り。しだいにネガティブな香りは少なくなっていくが、奥にはモルティな香りが感じられる。

(味)  トースティな含み香、やや単純な味わい。しだいにフルーツが何種類か出てくるが、やはり味の数は多くない。

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2011年4月24日

コニサーズクラブ(11/3/27)テーマ「ハイランドパーク

ハイランドパーク山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。

モルトの会、テイスティングノート

2011.3.27 スタンドバーにて
 今月のお題は、「ハイランドパーク」である。  お題として取り上げられる蒸留所としては、最多に数えられるひとつであろう。それだけビッグネームであり、かつ期待されているモルトなのである。

 そんなハイランドパークではあるが、シェリー樽熟成のモルトは良いが、その他の樽で熟成されたものはよろしく無い。モルトの会ではそう言われた時期もあったが、ここ最近では高評価を取り戻している。
 今回の5本もハイランドモルトらしく、シャープでドライ、さらに軽いピートをスパイスにしており、落ち着いた熟成香が漂う、まさに通好みの5本だった。当然メンバーの評価も高かったのである。

 さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] SMWS No.4.121 1986-2007 20年 51.0% ***

(香り) トップノートはハーブとミント。たいへん爽やかである。ほどよい酸味漂う香りが素晴らしい。香りのバランスが取れて実にエレガント。

(味)  まずドライに感じるが、ほのかにフルーティ。しだいに中程度の熟成感が広がってくる、ウッディな熟成感だ。フィニッシュに軽いピート。


*** [No.2] ダンカンテイラー ハイランドパーク RUNRIG 2009 1987 22年 51.4% ***

(香り) トップノートはミント。香りの立ちが遅く、最初はややドライに感じる。しだいに香りは開いて来てキャラメル香が感じられるようになる。たいへん深い香りに変化し、香りの数も増してくる。

(味)  熟成を感じられるウッディな含み香が素晴らしい。フルーティではあるが意外とドライ。加水をすればフルーティな印象は深まり、トロピカルフルーツが出現する。


*** [No.3] シグナトリー ハイランドパーク cask no.2274 151/235 1986-2010 23年 53.4% ***

(香り) まずミント香り、たいへんエレガントだ。酸味と甘さがバランスしている。最初は長熟を予感させる程度であるが、しだいに香りは深まり素晴らしい熟成香となる。甘い香りもアクセントだ。

(味)  香りからすると意外にドライだ。しだいにカラフルになり、ドライフルーツがいくつも味わうことができる。後半には中程度のピートが感じられるようになる。


*** [No.4] セレブレーション・オブ・ザ・カスク ハイランドパーク ホッグスヘッド cask no.878 80/263 1988-2010 54.6% ***

(香り) まず梅の香りが立つ。エレガントで爽やかな香りだ。いっけん香りの数は少なく感じられるが、時間とともに深みを増しながら複雑な香りとなる。

(味)  フルーティではあるが、奥には熟成由来の渋みが感じられ、長熟であることが窺い知れる。時間とともにウッディな味わいは深みを増してくる、フィニッシュは長い。


*** [No.5] ウイスキーエイジェンシー ハイランドパーク エクストラバーボン one/132 1985-2010 25年 54.6% ***

(香り) たいへん深い香り、すぐさま熟成を感じる香り。それは幾種類もの樽香や、香りの数の多さから窺い知れる。しだいに酸味を感じるようになり、華やかさを増してくる。

(味)  ウィッディな味わい、それほど押し出しは強くなく控えめであるが、たいへん上質のものだ。香りほど味わいは複雑ではなく、またドライである。

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Posted by ophiuchi at 14:37Comments(0)ティスティング

2011年2月25日

コニサーズクラブ(11/1/23)テーマ「ボウモア」

(110)山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。

モルトの会、テイスティングノート

2011.13.2 スタンドバーにて
 今月のお題は、「ボウモア」である。  独特の化粧品香、パフューミーな個性でハウススタイルを確立していたボウモアであるが、1990年代サントリーの資本が入るようになり、それ以降に蒸留されたものは、その特徴的な個性が無くなった。
 モルト自体のレベルでいえば、今日のボウモアの方が上といえるかもしれないが、あの独特の個性は残しておいて欲しかったのも事実である。

 ずいぶん昔の話になるが、このモルトの会である有名な事件があった。その夜のお題は「ボウモア」で、一本目がオフィシャルボトルの12年だった。  会が始まってまもなく、ある人物が一本目のモルトを「ボウモア」と言い切ってしまったのである。ブラインドテイスティングで行われる会なので、その後の進行が台無しになったのは言うまでも無い。

 その人物は私なのだが、ボウモアに敏感な私をいつか騙してみようという企画がずいぶん昔から画策されており、今回ついにその日を迎えたのだった。  結果をいってしまえば私の完敗であった。そのくらい現在のボウモアには、かつての個性であるパフューミーさは無いと言い切れる。

 また昨今、ボウモアといえばトロピカルフルーツといわれているが、ブラインドテイスティングする限りそんな印象も無かったことを報告しておく さて、

 そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] オールドモルトカスク ボウモア one/150 1990-2010 20年 52.0% ***

(香り) エレガントな香り、程よく酸味が香る。しだいにミントの香りも立ってくる。やや薄い香りといえる。

(味)  酸味を感じる味わい、その後軽いピートが出てくる。程よい甘さが心地よい。ピートだけに終わらないモルトと言える。

*** [No.2] ザ・パーフェクトドラム ボウモア one/222 1993-2010 16年 53.8% ***

(香り) 香りの立ちが遅い。ややヌカの香りが感じられるが、しばらくすると消えていく。酸味を感じさせる香り。湿気っぽい香りも見え隠れする。

(味)  まずはピートだ、ただしヨードは感じない。ほどよい甘さ、わずかにフルーティー。

*** [No.3] デュワ・ラトレー カスクコレクション ボウモア バーボン 1990-2007 17年 54.1% ***

(香り) まず感じるのは埃臭い香り、独特な香りだ。しだいにキャラメル香が立ってくる、軽い熟成香なのかもしれない。わずかなピート香。

(味)  強いピート、しかしヨード、クレオソートは無い。ウッディな個性、熟成を感じる。しぶみが心地よい。

*** [No.4] ザ・パーフェクトドラム ボウモア one/226 1993-2010 17年 54.6% ***

(香り) たいへん鮮やかな香り、透き通る酸味。スィートでフルーティー。よく香ってみると、いがいがした香りがある、ピート由来のものか。

(味)  中程度のピートと甘み。しだいにフルーティーな含み香が感じられるようになる、酸味も心地よい。複雑な味わいがありそうだが、ピートにマスキングされてほとんど感じることができない。

*** [No.5] ベリーブラザーズ・アンド・ラッド ボウモア cask no.1701 1994-2010 55.3% ***

(香り) 甘さを感じさせる香り。良い意味で麦芽風味。奥には金属っぽい香りがする。ややヌカの香りがあるが、酸味があるのでそれほど嫌味にならない。

(味)  まず甘さが感じられる、その後中程度のピートが広がる。かすかに熟成が感じられるが、かなり弱いものだ。ややトースティー。

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Posted by ophiuchi at 16:41Comments(0)ティスティング

2011年1月27日

コニサーズクラブ(2010/12/26)テーマ「クライネリッシュ」

クライネリッシュ(10/12/26)山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。
 今月のお題は、「クライネリッシュ」である。
 クライネリッシュの印象といえば、ヌカ、まったり、麦芽風味、私の中ではここ最近あまり好印象は無かった。
 今回テイスティングを進めていくと、上質のフルーツ、スィートといったあじわいが強く、上記のようなイメージのメモはほとんど見当たらないのだ、そんなことで最後まで蒸留所の名前は浮かばなかった。会の終盤にオフィシャルボトルを出されて初めてクライネリッシュの名前が出てきたのである。
 ところが、2005年12月のテイスティングノートの書き出しにはこう記されていた。

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結論からいえば、クライネヌッシュ好きにはちょっとショックだったと思う。ブラインドでテイスティングを進めていくと、上品、高貴、爽やかとおよそクライネヌッシュらしくないメモが書き連ねられていくのである。
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 なんと今回と同じような印象のコメントを残していた。
 まったく、頭の中に出来上がるハウススタイルなんぞ、当てにならないものである。
 さてクラブメンバーの中でも人気の蒸留所ではあるが、過去ログを見ると実に5年ぶりの登場だ。そんなことから満を持してサーブされた5本であるといっておこう。

 さて、今月のモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] オールドモルトカスク クライネリッシュ one/145 1971-2009 38年 47.9% ***

(香り) 甘く爽やかな香り、たいへんやさしい香りである。バランスがとれて優等生的な印象である。  上質な果実香、わずかにメロン風味。しだいに酸味のアクセントがついてくる。奥には控えめな熟成香。

(味)  最上のフルーツがいくつも現れる。もも、リンゴ、レイチ、葡萄、名前を出したらきりが無い。心地よい苦味もある。

*** [No.2] ジョンミルロイ クライネリッシュ リフィル ホッグスヘッド cask no.5886 1982-2010 27年 52.6% ***

(香り) ややまったり、しだいにスィートに変わる。わずかにミント。奥には軽いピートが感じられる。じっくりと香りを嗅いでいると上質なフルーツ香が現れる。  さらに時間をおけば、こってりとしたキャラメル香も出てくる。

(味)  たいへん濃いフルーツの味わい、それも上質で素晴らしいフルーツだ。濃い味わいは長く続く。

*** [No.3] ウイスキーエージェンシー クライネリッシュ one/166 1989-2010 21年 54% ***

(香り) トップノートはミントの香りで、かつスィート。しだいに素晴らしいフルーツが湧き出てくる。

(味)  エステリーな味わい、バーボン樽由来のものか。奥にはさりげない熟成感がある。味に旨みを感じさせる。

*** [No.4] オールドアンドレア クライネリッシュ ラムフィニッシュ 6months one/254 1983-2006 23年 55.3% ***

(香り) さわやかなフルーツ香。たいへん明るいイメージ。しだいにバニラの香りが見え隠れするようになる。上質な砂糖菓子の香り。

(味)  たいへん濃い味わいで、ウッディな熟成香が素晴らしい。また程よい苦味が長期熟成を感じさせる。  いつまでも味わっていたいモルトである。もちろんフィニッシュは長い。

*** [No.5] SMWS No.26.34 クライネリッシュ one/238 1972-2004 31年 57.8% ***

(香り) たいへん濃い香りだ。香りの立ちが早く、分かり易い香り。上質なシェリー樽の印象、それはファーストフィルではなく、セカンドフィルかサードフィルで長く寝かした印象だ。  ややヌカの香りがある。香りの数はたいへん多く、フィニッシュは長い。

(味)  甘さと酸味が程よくバランスしている。たいへん濃い味わいであるが、アルコール感も強い。  しだいにアルコールに慣れてくると、多数のフルーツを味わうことができるだろう。

以下に2004.12.12のSMWS試飲会における、No.26.34 クライネリッシュのテイスティングノートを記しておく。

(香り) さまざまなフルーツが香り、さわやかにみたされる。軽いピート香。

(味)  フルーツの競演。さわやかな酸味とともに幸せな気分になる。

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Posted by ophiuchi at 17:14Comments(0)ティスティング

2010年12月31日

コニサーズクラブ(2010/11/28)テーマ「マノックモア」

余市(10/11/28)山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。
 今月のお題は、「マノックモア」である。  オフィシャルボトルのブラックウイスキーが有名ではあるが、それ以外にオフィシャルボトルとしては花と動物シリーズやレアモルトがあるのみだ。  そんなマイナーな蒸留所であるが、過去のテイスティングノートを見ると、SMWSの64.10、64.15が見つかった。印象をまとめるとバーボン樽の個性や酸味、甘みを感じているようだ。    今回の5本にそれが感じられるかどうか、興味深いところである。  さて、今月のモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] オールドモルトカスク マノックモア one/288 1991-2009 18年 50% ***

(香り) トップノートはたいへん上品な香り。しだいに香りは開き、トロピカルフルーツが出てくる。軽いミントの香りと、酸味。かすかに麦芽風味。

(味)  フルーティではあるが意外にドライ。加水すればドライな印象が無くなり、フルーティ、アンド、フルーティ。非常に明るい印象だ。

*** [No.2] エクスクルーシブモルト マノックモア cask no.6600 one/234 1992 16年 53.8% ***

(香り) 香りの立ちが遅い。しだいにミントの香りと甘い香りが立つ。  さらに時間をおけば、まったりとした香りとなる。キャラメルの香りが感じられる、バーボン樽熟成か。さらに時間を経るとカルピスの香りも出てくる。

(味)  トロピカルフルーツの味わい、フルーティーではあるがドライだ。しだいに濃い葡萄の含み香も。味にうまみを感じる。

*** [No.3] ジェームスマッカーサー マノックモア cask no.2755 1990-2001 59.8% ***

(香り) フルーティーとミントがバランスしている。ミントの香りは、たいへん優しいものだ。注意深くすると奥に熟成香がある。しだいにまったりとした香りに変化してくる。

(味)  フルーティさが心地よい。ただしドライで甘みが少ない。しだいにうまみ成分が広がり、味わい深いモルトとなる。  さらに爽やかなフルーツから、深い香りのトロピカルフルーツに変化する。

*** [No.4] レアモルト マノックモア 1974-1977 22年 60.1% ***

(香り) わずかなピートを感じる。次に酸味を感じさせる香り。アルコール感はたいへん強い。しだいにフルーティーさが開いてくる 。

(味)  かすかにウッディーな味わい、熟成からくるものか。さらに上質なフルーツが広がる、口に含んだ旨みも心地よい。香りより味に素晴らしさを感じるモルトだ。

*** [No.5] マキロップチョイス マノックモア cask no.3696 1984-1999 60.7% ***

(香り) トップノートはシェリー樽の香り。たいへんトースティーだ。くどいと感じるぎりぎりのところでとどまっている。

(味)  シェリー樽由来の味わい。やはりトースティー、味もやはり嫌味になる一歩手前で踏みとどまっている。  シェリーだけで終わらない、複雑な含み香がある。

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2010年11月27日

コニサーズクラブ(2010/10/24)テーマ「余市」

余市(10/10/24)山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。

 今月のお題は、「余市」である。

  余市のお題、実は二度目である。前回の前置きを記してみると
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山崎のモルトに較べると無骨で個性的なものが多く、洗練といった観点では一歩譲ると感じていた。 ところが今回の5本をテイスティングしてみて印象が変わったのである。実に綺麗で繊細、かつふくよかで深みのあるモルトと感じた。実力としてはまったく山崎に引けをとらない。
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 なぜこれを引き合いに出したか、それは今回もまったく同じような印象をもったからだ。山崎に引けをとらないことを前回認識していながら、今回それを忘れていて余市の素晴らしさを再認識した次第である。

さて、今月のモルト5本を紹介しよう。


*** [No.1] SMWS 116.6 余市 バーボン樽 1987-2005 18年 54.1% ***

(香り) トップノートはスィートで爽やか。しだいにエステリーかつフルーティーな香りで満たされる。奥にはややヌカの香りがある、香りの数はたいへん多い。  しだいにピート香が強く感じられるようになる。

(味)  シャープなピートで満たされる。かすかな熟成感が心地よい。味の数は多いがピートにマスキングされて、その他の味わいは非常に遠くに感じられる。


*** [No.2] オフィシャルボトル 余市蒸留所 20年貯蔵 1988年 20年 55% ***

(香り) 非常に濃いフルーツの香り、また香りの立ちも早い。その後シェリー樽由来の香りが感じられるようになる。  しだいにトースティーな香りが強くなるが、それにバランスする酸味を持ち合わす。フルーツ香はたいへん上質なもので心地よい。  さらに時間を経るとカルピスの香りも出てくる。

(味)  味はまさにシェリー樽の個性で、たいへんトースティー。基本はこげたゴムであるが、下品になる一歩手前で留まっている。あじわいは単調だ。


*** [No.3] オフィシャルボトル 余市 NIKKA SINGLE CASK MALT WHISKY Seller NO.7 cask no.112788 新樽 1987-2009 58% ***

(香り) まずトップノートから、素晴らしいと感じられる香りがたくさん飛び込んでくる。それは深みのあるウッディな香りと、上質なキャラメルの香り。 言葉からすれば、少々押し出しが強いのではと危惧されるかもしれないが、爽やかなフルーツ香と、エステリーな香りも併せ持っているので、くどくはならない。素晴らしい熟成香である。

(味)  シェリー樽の個性をわずかに感じるが、それは良い意味でのものだ。熟成由来の渋みや木の含み香が素晴らしい、あじわいはたいへん複雑。たいへん美味いモルトである。


*** [No.4] オフィシャルボトル 余市 NIKKA SINGLE CASK MALT WHISKY 5th anniversary cask no.129445 新樽 1991-2008 17年 63% ***

(香り) まずシェリー樽の個性が広がる。典型的なシェリー樽の香りだが、くどくは感じられない。トースティーかつフルーティー。  ふくよかなキャラメルの香りもあり、香りの数はたいへん多い。

(味)  シェリー樽の個性をわずかに感じる、香りほどシェリーは強くない。熟成由来の苦味が心地よい。  しだいにエステリーかつフルーティーな味わいとなる。


*** [No.5] オフィシャルボトル 余市 NIKKA SINGLE CASK MALT WHISKY Seller NO.15 cask no.126451 新樽 1989-2008 63% ***

(香り) トップノートはシェリー樽の香り。ウッディな熟成香が素晴らしい、奥にはしっかりとしたフルーツ香が。  香りの数は多く、エレガントな香りもあり、たいへん贅沢だ。

(味)  シェリー樽由来の味わい。ピリピリ感が強い、アルコール度数が高いのかもしれないがアルコール臭さは感じられない。旨みが強く感じられる、たいへんウッディ。

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Posted by ophiuchi at 18:39Comments(0)ティスティング