2010年08月10日
コニサーズクラブ(2010/7/25)テーマ「マルス」
山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。今月のお題は、「マルス」である。
なかなかお目にかかれないモルトではあるが、これをご覧の諸氏なら名前はご存知かと思う。本業といっては怒られてしまうが、本坊酒造は本格焼酎を製造しているメーカーだ。
本坊酒造はモルトのほかにも、山梨でワインを醸造している。そしてモルトであるが、信州は伊那に蒸留所がある。10ほど前、工場を訪ねたことがあるが、たしか稼動はしてなかったと思う。
ジャパニーズモルトのなかでもマイナーな蒸留所ではあるが、5本揃えて飲んでみると、そこそこの出来栄えで、時に渋い味わいや熟成を感じさせた。
エステリーな香りがジャパニーズモルト、御殿場あたりを連想してしまったのは偶然であろうか。
さて、今月のモルト5本を紹介しよう
*** [No.1] MARS SINGLE MALT SINGLE CASK WHISKY sherry 606 cask no.606(478L)1989-1999 10年 43%(樽出し時58.7%) ***
(香り) スィートでミントの香り。奥には黄金糖の香り。しだいに単調な香りとなり、若さを感じるようになる。草の香りや、ダンボールの香り。
(味) 渋味と軽いピート。わずかに酸味を感じる。シェリー樽熟成の個性。
*** [No.2] TRIPLE CASK MALT WHISKY VINTAGE SATSUMA cask no.1683,1684,1691 1984-2004 20年 55% ***
(香り) 爽やかなトップノート、青空のような香り。どことなく梅酒の香り。フレッシュで心地よい
(味) やはり梅酒の味わい。苦味がアクセントとなっている。わずかに若さを感じる。
*** [No.3] MARS MALT GLALLERY シェリーバット cask no.0565-890 1988-2005 58% ***
(香り) ビターな香り。コクがあり、ふくよか。しだいに熟成香が見え隠れするようになる。ウッディ。梅酒の香り。
しだいにトースティーに変わってくる、1時間もすればしっかりシェリーの個性となる。
(味) かなり強いシェリーの個性、生臭い。硫黄の香り。やや嫌味を感じる苦味。
*** [No.4] MARS MALT GALLERY アメリカンホワイトオーク 1985-2009 23年 58% ***
(香り) たいへんエステリー、まったりと甘い香り。有機溶剤系の香り。わずかにウッディ、アメリカンオーク新樽の個性。
(味) やはりエステリー、心地よい苦味。かすかにウッディ。
*** [No.5] SINGLE CASK VINTAGE 樽出原酒 駒ケ岳 365/430 cask no.616 1989-200 60.1% ***
(香り) 強いエステリー感、コクを感じさせる香り。苦味がアクセント。時間がたてばミルキーな香りも感じ取れる
(味) とてもエステリー、しばらく味わっていると苦味を感じるようになる。アメリカンオークの個性。やや単調な味わい
*** [No.6] SINGLE CASK VINTAGE 樽出原酒 駒ケ岳 387/402 cask no.448 1986-2006 60.% ***
(香り) トップノートはエステリー、酸味が香りを引き締めている。エステリーに慣れてくるとしぶみが感じられるようになる。香りの数は多くない
(味) やはりエステリーで渋味を感じる。渋味からくる深みとウッディな熟成感。ぶどうのあじわいも。香りは単調だが、味は複雑でうまい。
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2010年07月25日
コニサーズクラブ(10/6/27)テーマ「グレングラント」
山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。今月のお題は、「グレングラント」である。
グレングラントといえば、色の濃いモルトで有名である。もちろんシェリー樽熟成のモルトであるが、焦げたゴム、硫黄臭は控えめであり、すばらしい熟成を示すものが多い。
今回テイスティングした5本でも濃い色のモルトが2本登場したが、一方他の3本は軽いピートをともないながら、たいへんフルーティでスペイサイドモルトの典型といってもいいモルトであった。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] ダンカンテイラー ザ オクタブ グレングラント 1/70 cask no.445800 1974-2010 35年 50.5% ***
(香り) トップノートはエレガント。しだいにさわやかにミントの香りが立ってくる。酸味も適度で、甘さとバランスしている。軽いピートのような香りがするが、非常にわずかなものである。
たいへんフルーティで上品。
(味) きわめてフルーティである、それもたいへん上質なフルーツ。しばらくするとうまみを感じられるようになる。
そして熟成感は時を経てようやく登場する。あじわいはたいへん複雑。
*** [No.2] ブラッドノック フォーラム グレングラント 41/206 1980-2009 28年 52.2% ***
(香り) 濃い香り、香りの立ちも早い。キャラメル香と心地よいエステリーな香り、バーボンカスクか、またはアメリカンオークの新樽か。軽いピートをともなう。
(味) フルーティ アンド フルーティ。しかし心地よい渋味も感じる。味の数は多い。うまみを感じながらのフィニッシュ。
*** [No.3] マーレイマクディビッド グレングラント ミッションゴールド バーボンカスク 1985-2007 21年 57.9% ***
(香り) トップノートはエステリー。まったりして濃い香り、新樽熟成か。ピートをかすかに感じることがある。
しだいにさわやかな印象に変わってくる、温度変化によるものか。
(味) まず若さを感じる、アルコール感も強い、もうすこしの熟成がほしい。しだいにフルーティーな印象に変わってくる。軽いピートも感じられる。うまみがしっかり感じられるモルトだ。
*** [No.4] ダンカンテイラー グレングラント 91/285 cask no.44541 1987 22年 56.0% ***
(香り) キャラメルの香りが強い、ラム酒の香りも。こってりと濃厚な香りだ。トースティな香りにマスクされているが、ウッディな熟成香が感じられる。シガーの香りも、軽いピートをともなう。
(味) たいへんトースティである。典型的なシェリーカスクの個性。湿気くさい含み香。心地よい渋味が感じられる。
*** [No.5] SMWS(スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ)No. 9.40 グレングラント 1972-2006 33年 52.4% ***
(香り) 有機溶剤の香り、とてもエステリー。バーボン樽、あるいはアメリカンオークの新樽による熟成か。スィートな香りが心地よい。香りの数はたいへん多い。
(味) とてもフルーティー、あんずの香りが立つ。味は濃いがドライに感じる。複雑なにがみが長期熟成を感じさせる。かすかにウッディ。
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2010年06月29日
コニサーズクラブ(2010/5/23)テーマ「リトルミル」
山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。今月のお題は、「リトルミル」である。
これでますます蒸留所を当てるという行為が難しいことが分かってくる。
リトルミルといえば、「濡れたダンボール」や「かびくさい」といった形容がすぐに出てくるくらい特徴的なモルトで有名である。実際スタンダードなオフィシャルボトルを飲んでみると、そんな味わいに間違いは無いと感じるだろう。
ところがどうだ、今回テイスティングした5本は、いずれもそんな印象は少しも感じられないのである。若さに起因する濡れたダンボールにどころか、枯れた熟成感がそこはかとなく漂っているのである。
オフィシャルボトルで、たいへん損なイメージを持つ蒸留所ではあるが、今回は期待しつつテイスティングノートを読んで頂きたい
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] スコッチモルトセールス リトルミル ディスティラリーコレクション 1977-2004 49.6% ***
(香り) トップノートはエレガント。しだいにミントの香りが立ってくる、たいへん爽やかな香りだ。心地よい酸味が印象的。
(味) フルーティではあるが、意外とドライ。しばらく味わっていると熟成感が感じられるようになる。ウッディな味わいが素晴らしい。軽いピートも感じられる。
*** [No.2] エクスクルーシブモルト リトルミル cask no 166 1/251 1991 16年 53.8% ***
(香り) ミルキー、キャラメルの香りも、それでいてスパイシー。しだいにさまざまなフルーツが登場してくる。酸味がたいへん爽やか。奥にはバニラの香りが見え隠れする。
(味) たいへんドライである。注意深く味わえば、そこはかとなく熟成感が漂う。ウッディな熟成感だ。
ドライと関連するが、味の数はそれほど多くない。
*** [No.3] ゴードン&マクファイル リトルミル スピリット・オブ・スコットランド 1985-2004 19年 55.2% ***
(香り) キャラメルの香り、バーボン樽熟成の個性か。ミルキーの香りも。しだいに酸味が立ってきて爽やかになる。それとともに隠れていた熟成感が顔を出す。
さらに時間がたてば、香ばしいシェリー樽の個性が出てくる。やや硫黄の香りも。
(味) 典型的なシェリー樽熟成、香ばしさは十分。焦げたゴムの一歩手前。
*** [No.4] SMWS(スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ)No.97.11 リトルミル 1990-2008 18年 56.0% ***
(香り) トップノートは硬い印象。かなりドライ、かつ香りの立ちが遅い。しばらくするとそんな印象を覆す熟成感に包まれる。酸味も心地よい。
さらに時間をおけば、たいへん上質のフルーツが香ってくる。またフルーツの数はたいへん多く、かつ上質のフルーツである。
(味) まずフルーティーな味わいを感じる。しだいに熟成感が広がってくる、ウッディな味わいが心地よい。
以下は2008.06.29のSMWS試飲会における、97.11のテイスティングノートである。あまりのコメントの違いに驚いている。
(香り) 非常にシャープでスパイシー。アルコール感が強い。若草の青い香り。
(味) やはりアルコール感が強い。濡れたダンボールを連想させる。
*** [No.5] ケイデンヘッド リトルミル バーボンホッグスヘッド 1989-2006 16年 59.7% ***
(香り) 香りは硬く、かつ弱い。しだいにまったりとした香りが立ってくる。さらに時間が経てば酸味と香ばしい香りが広がる。軽い熟成感もあり味わい深い。
(味) ドライでアルコール感が強い。香りとは裏腹に単純な味わいである。
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2010年05月23日
コニサーズクラブ(10/4/25)テーマ「グレンロセス」
山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。今月のお題は、「グレンロセス」である。
グレンロセスといえば、たいへん洒落たデザインのオフィシャルボトルで有名である。またラベルにはビンテージが表記され、オフィャルボトルにしてはたいへんマニアックだ。
シェリー樽を多用するハウススタイルではあるが、マッカランのような典型的なシェリー樽熟成ではなく、バランスのとれた綺麗な味わいである。 飛びぬけて旨いモルトも無いが、不味いものも無い、そんな印象を持っている。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] ロナック グレンロセス オーク 1973-2008 40.3% ***
(香り) トップノートは心地よい酸味。しだいにミントの香りが立ってくる。さらにたいへん香ばしいかおりも出てくる。
(味) 心地よい苦味があり、長熟を感じさせる。1960年代蒸留の古い味わいがある。基本的にはドライ。
*** [No.2] ダンカンテイラー グレンロセス オーク cask no 13498 1968-2008 39年 48.2% ***
(香り) 香りの立ちが遅い。しだいにエレガントな香りが現れる。さらにたいへん変わったフルーツの香りも出現する。フルーツの香りはたいへん多い。じっくり味わっていれば、たいへん重厚な香りに変化する。
(味) フルーティーではあるが、たいへん心地よい渋味がある。苦味も心地よい、やはりドライ。時間が経つほどに美味くなる種類のモルトだ。
*** [No.3] ブラッカダー ローカスク グレンロセス オークホッグスヘッド 158/277 cask no 18832 1989-2004 14年 56.6% ***
(香り) たいへんアルコール感が強い、かつドライ。奥にはハッカの香りも。焼けたアルコールの香りはあるが、さわやかでもある。
(味) 若さが感じられる、熟成不足。アルコール由来の甘味。
*** [No.4] エイカーダイク グレンロセス 1990-2004 56.6% ***
(香り) トップノートはエステリー。ミントの香りも爽やかだ。アルコール感は強くはあるが、まったりした香りがあり、きつく香ることは無い。
有機溶剤系の香りが立つが、反面香ばしさもある。しばらくするとシェリー樽由来の焦げたゴムの香りが出てくる。
(味) やはり焦げたゴム。ただしエステリーが強く嫌味な硫黄臭は弱い。たいへんまったりしている。
*** [No.5] スコッチモルトセールス グレンロセス 1989-1999 10年 62.6% ***
(香り) トップノートは甘い香り、砂糖水の香りか。香りの数は少なく単調だ。
(味) やはり甘さが感じられる。アルコール感が強くピリピリする。
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2010年04月27日
コニサーズクラブ(10/3/28)テーマ「ブナハーブン」
山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。今月のお題は、「ブナハーブン」である。
モルト呑みの間で人気の高いアイラモルトにあって、最も話題にのぼることの少ない蒸留所がここブナハーブンではないだろうか。
たしかに、ここブナハーブンには印象深いモルトが少なく感じられる。ピートをほとんど効かせず、かつ華やかさも抑え目のハウススタイルは大変地味である。
そんな印象しか持たなかったのだが、そこはこのモルト会、普通のモルトは出されない。5本を呑み終えると、今回もたいへん素晴らしいモルトが多々あった。
基本的にドライでありながら、味わい深くウッディな熟成感もあり、たいへんレベルの高いモルトが出てきたのである。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] ジョン・マクドゥーガル スピリット・オブ・アイラ ブナハーブン ラムカスクフィニッシュ 1982-2003 46% ***
(香り) トップノートはミント、香りはなかり軽い。わずかにヌカの香りも。しだいに酸味がでてきてアクセントが付く。フルーティーさは梅の香り。
(味) たいへんドライ、無機物の味わい。軽いがしっかりした熟成が感じられる。
*** [No.2] ベリー・ブラザーズ・アンド・ラッド ブナハーブン 1990-2004 53.2% ***
(香り) 酢酸エチルの香り、たいへんエステリー。メロンの香りも感じられる。奥にはまったりとしたタクアンの香りも。酸味もほどほどに感じられる。
(味) やはり酢酸エチルの味わい、フルーティーではあるがドライである。よく味わってみるとしぶみも感じられる。
*** [No.3] シグナトリー ブナハーブン シェリーバット cask no 2539 1978-2005 26年 54.6% ***
(香り) トップノートはエステリー。しだいにこってりとした香りになり、バタースカッチの香りで満たされる。時間が経つと甘い香りも増えてくる。香りの数はたいへん多い。
(味) うまみが強く味わい深い、うまみとは相反するがドライでもある。かすかに熟成由来のウッディな印象がある。
*** [No.4] デュワー・ラトレー ブナハーブン シェリーバット cask no 6223 1/529 1976-2008 31年 49.4% ***
(香り) 言葉に出来ないが、かつて嗅いだことの無い香りがする、無機物の香りだ。香りの数はたいへん多い、ハチミツの香りもある。
しだいにエレガントな香りに変化するとともに、ウッディな熟成感に満たされる、たいへんすばらしい香りだ。バタースカッチの香りもある。
(味) 基本的にはドライだが、味の数は多く、熟成感が大である。ウッディな味わいが素晴らしい、渋味も熟成感を上げるのに一役買っている。たいへんうまいモルトである。
*** [No.5] ダグラスレイン オールド・モルト・カスク ブナハーブン 1/379 1979-1998 19年 50% ***
(香り) へんな表現だが「くさい」である、シェリー樽熟成であろうと思われるが、えぐみや焼いた砂糖の香り、ヌカの香りも。よく言えば香ばしくトースティーである。
(味) やはりシェリー樽熟成の個性である焦げたゴムの味わいが強い。シェリー樽熟成好きの方にはお勧めであろう。
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2010年04月01日
コニサーズクラブ(10/2/28)テーマ「宮城峡」
山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。今月のお題は、「宮城峡」である。
ジャパニーズモルトでまだお題になっていない蒸留所、それが宮城峡であった。それだけに満を持してのモルトが揃っていたのではないだろうか。
飲み進めていくと、どれもなかなかレベルが高くて、バラエティに富んでいる。リベット、ロングモーン、ハイランドパークの名前が思い浮かぶが、やはりどれも当てはまらない。となると山崎あたりの名前が頭に思いに浮かぶ、No.1、No.4あたりにはミズナラっぽい個性もある。
しかしそうではないとのことだ、そして最後に残ったのが宮城峡というわけだ。余市にはミズナラ樽が存在するとのことだから、宮城峡にあってもおかしくは無い。どれもレベルの高いモルトであって、いまさらながら日本の蒸留所の技術に驚くばかりだ。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] オフィシャルボトル 宮城峡 1988 20年 50% ***
(香り) トップノートはフルーティー、アンド、フルーティー、たいへん色鮮やか。酸味がピリッとアクセントに。じつにエレガントである、軽くミントの香りも。
(味) まずフルーティーに感じるが、しだいに熟成由来のウッディーが立ってくる。ミズナラ樽の個性も、実に旨いモルトである。
*** [No.2] オフィシャルボトル 宮城峡 70th アニバーサリー 12年 58% ***
(香り) フルーティーに香るが深みもある。ややシェリー樽の個性も、ただしシェリーのいやみはいっさい無い。スイートで素晴らしい香り、しだいにややトースティー。
(味) エレガントでフルーティー。にがみも心地よい、ウッディーな個性も。やさしい甘味。
*** [No.3] オフィシャルボトル 宮城峡 cask no C08645 1989-2006 58% ***
(香り) しょう油の香り。えぐみ。ドライな香りで甘味が感じられない。紹興酒の香り、奥にはエレガントな香りもあるが、紹興酒風味に消されている。
(味) やはりしょう油風味。ドライ。
*** [No.4] SMWS(スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ)No.124.1 宮城峡 1985-2005 17年 59.4% ***
(香り) ほのかに甘くスイート、かつフルーティー、リフィルシェリー樽か。深みのある香りが素晴らしく、幸せな気分にさせてくれる。エレガントな酸味も素晴らしい。しだいにバニラ香も。
(味) アルコール感は強い、フルーティーかつ酸味がきいてバランスが良い。ほどよく熟成感が感じられ、非常によくできたモルト。
*** [No.5] オフィシャルボトル 宮城峡 cask no 80283 1986-2008 63% ***
(香り) リフィルシェリー樽の個性、ピートの香りが全体を引き締めている。大変濃い香りでまったりとしている。
(味) ピートとフルーツ。ブローラとは違うピートとフルーツだ。しだいにシャープな印象になり、ウッディーな味わいもでてくる。バニラの含み香も。
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2010年03月01日
コニサーズクラブ(10/1/24)テーマ「カリラ」
山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。今月のお題は、「カリラ」である。
今回で何度目であろうか、そのくらいこの会には登場することが多い蒸留所である。
とにかくシャープなピートというイメージが強いが、今回はたいへんバラエティーに富んだ味わいのモルトであるとの印象を持った。
またこの会では世間の辛いという風評に反して、カリラを「甘い」という認識をもつメンバーが多いが、今回のモルトでは特に甘さを感じることは無かった。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] エクスクルーシブカスク カリラ cask no.4936 1980 28年 50.5% ***
(香り) 軽いピート香、さわやかにミントが香る。注意深くすれば麦芽風味を感じ取れる。しだいに香りは開いて鮮やかなフルーツと酸味が現れる。
(味) 中程度のピート、甘みが心地よい。様々なフルーツもピートの奥に感じられる。
*** [No.2] ラッドノック・フォーラム・メンバーズ カリラ ホッグスヘッド 1983 25年 52.7% ***
(香り) 爽やかさのミントと熟成のフルーツ。しだいに上品さは増してくる、さらにまったりとした乳酸飲料の香りも。
(味) フルーティではあるが、熟成由来の渋みが心地よい。程よいピートがフルーツとバランスしている。
*** [No.3] SMWS(スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ)No.53.103 カリラ 1993-2006 13年 60.7% ***
(香り) トップノートは強いピート、フェノールも強い。心地よい酸味がピートオンリーのモルトではないと感じさせる。
(味) アルコール感が強い、ピートも強く刺激的だ。ただし旨みが強く、ピートだけに終わらない。
*** [No.4] セレブレーション・オブ・ザ・カスク カリラ ホッグスヘッド 90/260 1981-2009 63.6% ***
(香り) アプリコット系のフルーツ香。しばらくすると、軽い熟成香が感じられるようになる。ただし香りは弱く、注意深くノージングしないといけない。安いキャラメルの香り。最後に軽いピート香。
(味) ドロップの含み香。香料。石鹸。パフューム。とにかく独特である。ボウモアとも違うパフュームだ。やや酸化した香り。
*** [No.5] SMWS(スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ)No53.130 カリラ one/301 9年 68.2% ***
(香り) 中程度のピート香。まったりとふくよかな香りも。酸味とキャラメル香。
(味) まず旨みを感じる。しかしピートが支配的である。ピートがなければ若さを感じることになるであろう。
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2010年02月04日
コニサーズクラブ(09/12/27)テーマ「ブローラ」
山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。モルトの会、テイスティングノート
2009.12.27 スタンドバーにて
今月のお題は、「ブローラ」である。
閉鎖といっても旧クライヌリッシュであるので、完全な閉鎖といってよいかどうかは疑問ではある。しかし現在のクライヌリッシュには少ない、ピートの強さ、渋みがあるといえよう。
ブラインドテイスト後、ピート感、熟成、シェリーの個性からラガブリンとブローラの名前が頭に浮かんだが、ピートの強さからラガブリンではないかと感じたしだいである。思った以上にブローラのピートは強いのがそれで分かると思う。
今回も名声にたがわぬ素晴らしいモルトが出されたことを付け加えておこう。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1]ウイスキーマガジン エディターズチョイス ブローラ 88/187 cask no.529 1977-2003 26年 51.3% ***
(香り) 上品かつエレガント、上質の酸味が鼻を抜けていく。フルーツの香りもきわめて心地よい。軽いピートを感じる。
(味) 中程度のピート。基本はフルーティ、アンドフルーティ、それもトロピカルで色彩感豊か。たいへん明るい印象、さらに深い旨みを感じる。
*** [No.2] ダグラスレイン オールドアンドレア ブローラ one/233 1971-2001 30年 51.7% ***
(香り) たいへん上品かつエレガント。しだいにトロピカルフルーツで満たされる、それも高級なフルーツだ。酸味も心地よい。奥にはキャラメル香も、バーボン樽の個性か。
しだいに香りは深みを増し、樽由来の熟成感に幸せを感じるようになる。
(味) フルーティではあるが、渋みがまた素晴らしい。ウッディな味わいは言葉にならないほどうまい。
*** [No.3] ダンカンテイラー ピアレス ブローラ 283/349 19981-2008 27年 53.8% ***
(香り) トップノートはフルーティ。非常に心地よい酸味を感じる。軽く麦芽風味。時間を掛けても香りは弱い。
(味) 軽いピートとフルーティな味わい。やや硬な含み香。味の数は多い方ではない。
*** [No.4] ブローラ(オフィシャルボトル)bottle no.0907 2003 30年 55.7% ***
(香り) 濃いフルーツの香り、奥には軽くミントが香る。わずかにヌカの香り、硫黄っぽくもある、しかし邪魔になるほどでもない。しだいにマッタリ感が強くなり、深みが増す。
(味) 中程度のピート。わずかなシェリーの個性が、良い意味でのアクセントになっており、フルーティさと相まって、三拍子揃ったテイストである。しだいにピートは強くなる。
*** [No.5] レアモルト ブローラ bottle no.3856 1982 20年 58.1% ***
(香り) フルーティだが、まったり感も強い、爽やかなまったりだ。酸味がバランスしている。軽いピート香。しだいにトロピカルフルーツが開いてきて、たいへん鮮やかになる。
(味) 軽いピート、時間を経るとしだいにピートは強くなる。硬い含み香のフルーツ。香りほど味の数は多くない。
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2009年12月26日
コニサーズクラブ(09/11)テーマ「オーヘントッシャン」
山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。モルトの会、テイスティングノート
2009.11.22 スタンドバーにて
オーヘントッシャン蒸留所は三回蒸留をしている数少ない蒸留所であり、現在はモリソンボウモアグループの一員としてサントリーの所有となっている。
同じモリソンボウモアグループの中でも、ボウモアがあの石鹸香を無くしてしまったのとは違い、オーヘントッシャンは良くも悪くもダンボール臭い香りを残しており、時代に流されない貴重な存在といえよう。
三回蒸留は熟成を早くするためと聞いた事があるが、今回の5本をテイスティングした限りではとても熟成が早いとは思わなかったことを付け加えておく。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1]ダグラス オブ ドラムランリグ オーヘントッシャン cask LD.4002 1991 14年 49% ***
(香り) トップノートはレモンの香り、非常にフレッシュである。次に若草の香りが現れる、紙臭い香りもあり、やや若さを感じる。
(味) まず甘みを感じる、その後フルーティさが広がる。複雑な味わいだが、味わいにも若さを感じる。
*** [No.2] オーヘントッシャン(オフィシャルボトル)17年 51% ***
(香り) まず感じられるのはトースティーな香りだ、次に甘い香りの個性が。アルコール感が強くノージングの邪魔になる時もある。しだいにエレガントな香りが現れる。さらにバニラ香も感じられ、まったりとしてくる。
(味) 酸味が強い。湿気臭い味わいがある、シェリー樽由来のものか。軽いピートを伴う。
*** [No.3] マーレイマクディビッド オーヘントッシャン バーボン one/350 1981 25年 55.7% ***
(香り) トップノートは香ばしい香り。若さとアルコール感の強さが出る。香りの数は多くない。しだいにかすかな熟成香を感じ取れるようになる。
(味) 焦げたゴムの個性、湿気っぽい。硫黄の風味。
*** [No.4] デュワーラトレー オーヘントッシャン cask no.17283 1990-2004 13年 60.0% ***
(香り) まず若さが前に出る、好印象では無い臭みがある。香りは薄く、時間を掛けても開いてこない。
(味) アルコール感が強い。若さが前に出る、麦芽風味も強い。酸味が強くバランスが良いとはいえない、青りんごの風味。
*** [No.5] ジェームズ マッカーサー オールドマスターズ オーヘントッシャン cask no.137 1992-2002 64.2% ***
(香り) 香りが薄い。草の香り、ダンボール臭い。しばらくするとバニラの香りも出てくる。
(味) ピリピリと舌を刺す、アルコール度数のせいであろうか。甘みはあるが薄っぺらい。とにかく若さを感じてしまう。
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2009年11月30日
コニサーズクラブ(09/10/25)テーマ「グレンカダム」
山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。モルトの会、テイスティングノート
2009.10.25 スタンドバーにて
またまた、マイナーな蒸留所が登場したものだ。この会にも過去に出されていないというわけではないが、5本も揃ったことはもちろん無い。
一般的に個性が弱く、印象の薄い蒸留所が多い東ハイランドであるが、5本テイスティングしてみて、やはり当たらずとも遠からずといったところか。ちなみに今回、30年OVERは3本もある。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] モダンマスターズ グレンカダム 1/121 1973 34年 50.1% ***
(香り) まず酸味を感じる、非常にエレガントな酸味だ。しだいに有機溶剤系のエステリーな香りに包まれる。注意深くすればアニスやハッカのような香りもある。
バランスの取れた香りであり、オフィシャルボトルであろうか。
(味) フルーティであるが、しだい古い樽、あるいは長期熟成の味わいが前に出てくる。味の数は多いがどちらかといえばドライである。
しばらく、飲んでいるとたいへん美味いモルトであることに気づく、そんな通好みのモルトだ。
*** [No.2] エクスクルーシブモルツ グレンカダム シェリー one/233 cask no.2179 1974 34年 50.2% ***
(香り) トップノートはイオウの香り。その後たいへん香ばしい香りに支配される、シェリーカスクであろうが焦げたゴムの香りは無い。時として紹興酒の香りが現れる。
(味) やはりたいへん香ばしい、トースティー。味にも焦げたゴムはなく、シェリーカスクの個性は強いが、欠点が表に出ないよく出来たモルトといえよう。
*** [No.3] マキロップチョイス グレンカダム 1977-1999 56.8% ***
(香り) エレガントな香りで、長熟を予感させる。酸味と甘みのバランスが良い、やや硫黄の香りがある。
(味) 味はドライである、味の数は多くはない。辛いモルトである。
*** [No.4] ダグラスレイン オールドアンドレア グレンカダム one/176 1977-2009 32年 58.1% ***
(香り) 熟成感が素晴らしい。わざとらしくないエステル香が、長い熟成を経ているのを予感させる。甘くバニラが漂いたいへん心地よい。
(味) 味も素晴らしくエステリー。味の数も多く、また熟成由来のにがみもスパイスとなり、いつまでも至福の時間を味わうことができる。それでいて意外とドライだ。
*** [No.5] デュワーラトレー グレンカダム バーボン cask no.5981 1990-2007 17年 59.1% ***
(香り) ハッカ、ミントの香りがある。基本的にドライであるが、甘い香りも感じられる。
(味) アルコール感が強く、甘みが少ない。きわめてドライ。
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※ネットショップで買えるグレンカダムのリストはこちら(更新しました)
2009年10月22日
コニサーズクラブ(09/9/27)テーマ「ダルモア」
山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。モルトの会、テイスティングノート
2009.9.27 スタンドバーにて
今月のお題は、「ダルモア」である。
マイナーな蒸留所というわけではないが、なかなか登場する機会が少ない蒸留所だ。軽いシェリーの個性、柑橘系フルーツ香、ドライ、軽いピート。そんなハウススタイルと感じていたが、当たらずとも遠からず、まあ想定の範囲内ではあったが、蒸留所を特定するまでにはいたらなかった。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] ダグラスレイン オールドモルトカスク ダルモア ラムフィニッシュ one/306 1976-2009 32年 50% ***
(香り) ップノートはエステリー、甘い香りも立っている。熟成由来の有機溶剤の香り。酸味も心地よい。やや麦芽風味も。
(味) 深みのある含み香が素晴らしい。良い意味で古さを感じる味わいだ。ドライだが味の数はたいへん多い、次々現れる味に飽きることは無い。軽いピートを感じる。
飲み進めていくうちに、ほんとに旨いと思えてくる素晴らしいモルトだ。
*** [No.2] ダンカンテイラー ピアレス ダルモア シェリー 276/662 cask no.7325 1990-2007 17年 55.5% ***
(香り) やや単調な香り。奥にはピートらしき香りが。アルコール感が強く、香りの数が少ない。
(味) 若く硬い味わい。柑橘系のフルーツが広がる。フィニッシュは短い。
*** [No.3] エーカーダイグ オールドモルトカスク ダルモア 1992-2004 57.7% ***
(香り) 単調な香り。アルコール感が強くドライ。ややひねた香りも感じられる。
(味) まずひろがるのはアルコール感だ、しだいに香ばしい含み香が立ってくる。
*** [No.4] ブラッカダー ダルモア one/348 1976-2005 28年 58% ***
(香り) エステリーな香りがひろがる、十分に熟成された香りだ。ウッディな香りも素晴らしく、深い深い香りである。香りだけで堪能できる種類のモルトだ。
(味) 味は意外にドライである。ウッディな味わいが広がるが、テイスティングメモのコメントはけっして多くない。
*** [No.5] アデルフィー ダルモア one/590 cask no.7327 2007 17年 59.7% ***
(香り) エステリーな香りが素晴らしい。深く甘い香りが立ちこめる。軽いピートの香りが感じられる。カラメルを思わせるこってりとした香りも。最後にフルーツ香が現れる奇特なパターンだ。
(味) たいへん香ばしい。やや湿気た味わいを感じる時もあるが、基本的にはフルーティー。やや若さを感じる。味は濃いがアルコール感も強い。
化粧品香を感じる時もあるがごく軽いものだ。注意深くすれば軽いピートを感じる。
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2009年09月11日
コニサーズクラブ(09/8/23)テーマ「ハイランドパーク」
山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。モルトの会、テイスティングノート
2009.8.23 スタンドバーにて
今月のお題は、「ハイランドパーク」である。
この会では最多の登場ではないだろうか、それだけのビッグネームといえる。しかしこれだけ評価のぶれる蒸留所も珍しい。
これまでの評価をまとめてみるとシェリー樽を使ったモルトではたいへん素晴らしい評価を得ている。ところがオーク樽のモルトとなると、過去3回15本をテイスティングしているが惨憺たる結果である。
ハイランドパークはシェリーが不可欠と評価が出来上がってしまっている。
そして3回続けて不本意な評価を受けたあとのハイランドパークである。ところがどうだろう、今回すばらしい味わいのNO.1~NO.3のモルトはオーク樽熟成だ。
過去3回の経験からしてハイランドパークの名前を挙げるのは難しい作業であった。さすがビッグネーム、素晴らしいモルトが数多く眠っている蒸留所だといっておく。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] シグナトリー ハイランドパーク ホッグスヘッド 51/291 1985-2005 19年 53.3% ***
(香り) トップノートはエレガント、たいへん上品である。桃の香り、その後、数種の果物が現れフルーツバスケットとなる。注意深くすればピートの香りがある。
(味) ウッディな香りが素晴らしい、心地よいにがみを感じる。甘さはあるが意外にドライに感じるのは、ある種の苦味のせいか。加水でフルーツが出現する、軽いピートを伴う。
*** [No.2] ダンカンテイラー ピアレス ハイランドパーク オーク 69/2117 1994-2007 57% ***
(香り) レガントで上品。さらにフルーツのてんこ盛り。酸味が爽やかである。すぐさまこくのある香りになり、深みが増してくる。
ウッディな熟成感がすばらしい、深々とした木の香りである。さらにキャラメル香もある。
(味) フルーティーでありながらドライ。苦味もあるが心地よい種類のものだ。複雑な樹皮の香り。にがみは木からくるものか。
*** [No.3] ブラッカダー ローカスク ハイランドパーク オーク ホッグスヘッド 140/248 1985 22年 56% ***
(香り) たいへん深みのある香りだ。しかもエレガントで爽やかさもある。ウッディな香りが素晴らしい、さらに梅の香りも。
(味) 香ばしい含み香。にがみも素晴らしい。しだいにあざやかなフルーツの味わいになる。酸味も適度にきいて飲みやすい。
*** [No.4] マキロップチョイス ハイランドパーク cask no 11751 1988-1999 61.5% ***
(香り) トップノートはイオウの香り。深みのある香りで、やさしい甘みを感じる。シェリー樽由来の香りだが、キャラメル香もありバーボン樽の個性もある。
(味) シェリー樽の個性、やや焦げたゴムの味わい。甘みが心地よい。
*** [No.5] ムーンインポート ハイランドパーク 1988-2008 62.4% ***
(香り) たいへん深い香り、シェリー樽熟成の個性。甘みが強いが、ウッディな香りが甘みに負けないくらい主張してくる。長い熟成を感じる、その後なぜかバニラの香りも。
(味) ほっとするような甘みに包まれる、シェリー樽熟成と思われるが、こげたゴムの個性は無い。梅の含み香りがある。
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2009年08月31日
コニサーズクラブ(09/7/26)テーマ「白州」
山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。モルトの会、テイスティングノート
2009.7.26 スタンドバーにて
今月のお題は、「白州」である。
山崎蒸留所はこの会でも何度か出されているが、そのレベルの高さは折り紙つきだ。そして今回サントリーのもうひとつの雄、白州である。
実は会も終わりに近づくまで、まったく蒸留所を特定することができなかった。5本をテイスティングしてみると明らかなピートの個性がある。さらにウッディな熟成感、あるいはトロピカルフルーツとバラエティーに富んでいる。
当然のようにアイラに絞ってみる、こんな多種多様のモルトを繰り出すのは、ラガブリンかポートエレンであろう。がしかし正解ではないという、しかもアイラではないというではないか。であればブローラか、いやそれも違うという。ピートと白州の結びつきを考えていなかったので、正解を出すのにずいぶん時間が掛かった次第である。正解を導き出すキーになったのは素晴らしい熟成感からといっておこう。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ(SMWS) No.120.3 14年 56.4% ***
(香り) トップノートはエレガント、ミントな爽やかさが広がる。しだいに多種のフルーツが花開く。酸味も感じられフレッシュではあるが非常にまろやか。ややスモーキーな香りが感じられる。
(味) 非常にスモーキーかつフルーティ。酸味が心地よい。
実は2004年1月にもこのモルトは出されている、そのテイスティングノートもあわせて記載する。
(香り) ピートが強く香る、アイラによくある磯の香りはない。ジャーキーでスモーキー。やはりこのモルトもエステリーな香りが強く、ピートとのコンビネーションがいままでになかったものだ。ピート香はそれほどシャープなものではなく、攻撃的なところはいっさいない。
(味) やはりピートが強い、なおかつぴりぴり感は強く、アルコール臭も感じられる。
しばらくするとフルーティーな感じがでてきて、エステルも強く感じるようになる。
*** [No.2] オーナーズカスク 白州 cask no.4E10133 88/168 1994-2007 57% ***
(香り) フルーティかつミルキー。しだいにウッディな熟成感に包まれる。シェリー樽の個性か。さらにグラスを回していればエレガントな香りに変化してくる。ミルキーからエレガントに変化する例は珍しい。
(味) 酸味が感じられる、それも素晴らしく鮮やかなものだ。すぐにウッディな熟成感に満たさされじっくり飲んでいたい気分にさせられる。時間がたてばトロピカルフルーツも出現する。
*** [No.3] オーナーズカスク 白州 cask no.3B40350 71/142 1993-2007 58% ***
(香り) 酸味が強く、アルコール感も強い。しかしすぐに香りは開いてきて、まったりとした熟成感が感じられるようになる。シェリー樽の個性なのか、たいへん香ばしい。ブドウの風味も感じられる。
(味) やはり香ばしい、やや湿気た風味がある。シェリー樽由来のものであろう。しばらくすればフルーティに変化してくる。
*** [No.4] THE CASK OF HAKUSHU ホワイトオーク/ホッグスヘッド cask no.3B40582 138/235 1993-2008 59% ***
(香り) まず心地よい酸味を感じる、わずかに硫黄の香りも。まったりとした香りもあり、ふくよかだ。奥にはいがいがとした香りも、ピート由来のものか。
(味) ドライでからい。控えめな熟成感。アルコール感をともなう。ピートはかなり強い、ただしヨード臭は無い。
*** [No.5] THE CASK OF HAKUSHU 近江エージングセラー cask type スパニッシュオーク ボタコルタ 149/580 1993-2008 59% ***
(香り) 紹興酒の香り、醤油の香りともとれる。非常にこってりとした風味だ。しかし冷静に香ればエレガントな酸味を感じ取ることができる。
(味) 辛く、また香ばしい。酸味がとてもエレガント。フィニッシュに湿気たところがある。
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2009年07月26日
コニサーズクラブ(09/6/28)テーマ「グレンリベット」
山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。モルトの会、テイスティングノート
2009.6.28 スタンドバーにて
今月のお題は、「グレンリベット」である。
メジャーな蒸留所として例会でも何度か出されている、もちろんボトラーズものも多種多様にでまわっている。
名の通りがメジャーなら、味わいもメジャーの名に恥じない。会でサーブされたモルトは、そんな印象持つモルトが多く、好印象の蒸留所である。
ところが今回の5本、結論からいえばきわめて中庸、良くも悪くも無しである。メンバーからもそれに近い言葉が出ていた。30年オーバーを含む長熟ものを揃えただけに、スタンドバーマスターの落胆も大きかったといえよう。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] ダンカンテイラー ロナック グレンリベット 1968-2006 37年 41.7% ***
(香り) トップノートはスィート。甘い香りとミントの爽やかさが印象的。その後すばらしくエレガントな酸味が出現する。
(味) まずフルーティーが口に広がる、控えめだが素晴らしい熟成感を感じられるようになる。実に柔らかい飲み口だ。フィニッシュはウッディ。
*** [No.2] ムーンインポート グレンリベット 1985-2008 51.2% ***
(香り) 麦由来の香ばしい香りが心地よい、若さとは違うモルティーな印象。やや酸化した香り。木の香りも素晴らしく、奥にはフルーツがたくさん見える。
(味) アルコール感が強く、ドライである。味の数は多い方ではない。
*** [No.3] キングスバリー グレンリベット ホッグスヘッド 29年 52.6% ***
(香り) まったりと甘い香り、注意深く香ってみると蜜の香りのようだ。いがいがするのは軽いピート香か。酸味もありまったり感とバランスしている。
しだいに熟成香が現れ、短い熟成では無いことがわかる。
(味) ドライではあるが、加水すればフルーティー。軽くウッディーで飲み手をリラックスさせてくれる。
*** [No.4] シグナトリー シグナトリー グレンリベット リフィルホッグスヘッド cask no.4310 239/384 1991-2007 28年 57.5% ***
(香り) まずヌカ臭い印象だ、雑味も感じられる。しだいに酸味とともにエレガントなフルーツ香が開いてくる。
(味) アルコール焼けしたあじわい。ドライで単調。
*** [No.5] スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ(SMWS) No.2.68 1975-2006 30年 57.5% ***
(香り) 心地よい酸味が香るがアルコール感も強い。ミントの爽やかな香りも立つが、反面ややヌカくさいところも。
しだいにエレガントに変身してくる。軽くピートが香り、奥にはレモンも感じられる
(味) 香ばしく旨みが強い。口に含むと熟成感が素晴らしく、じっくりと向き合いたいモルトである。ややアルコール感が感じられる。
参考までに2006年12月のSMWS試飲会でのテイスティングノートを記しておく。(こちらはブラインドテイスティングでは無い)
(香り) 最初はライトと感じるが、しだいに深みと熟成が花開いてくる。フルーティーでエステリー。ただしリベットのイメージより華やかさが少ない。
(味) 味はきわめてフルーティー。酸味とかすかなピート。うまみ成分が多く、味わい深い。
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2009年06月26日
コニサーズクラブ(09/5/24)「ロイヤルロッホナガー」
山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。モルトの会、テイスティングノート
2009.5.24 スタンドバーにて
今月のお題は、「ロイヤルロッホナガー」である。
マイナーな蒸留所というわけではないが、オフィシャルボトルとレアモルトシリーズ以外お目にかかったことが無く、ある意味マイナーなモルトといえよう。
もちろん、ハウススタイルなど頭の中に出来上がっているはずもなく、蒸留所を絞り込んでいっても名前を出すことは出来なかった。
今回あらためてテイスティングして、樽由来の深い香りのモルトが多く、まだまだ素晴らしいモルトがセラーには寝かされているだろうと推測できる。もっと多種のモルトをリリースしてもらいたいものだ。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ(SMWS) No.103.7 1969-2001 31年 53.6% ***
(香り) きわめてエステリー、有機溶剤の香り。フルーティー、しかも濃い、ミントの香りも感じられ重たくならない。しだいに素晴らしくエレガントになる。
(味) 口に含むとウッディな味わいが広がる。樽の香りが素晴らしい。ややドライに感じる時もある。しばらくすればバニラも味わうことができる。
*** [No.2] ディアジオ レアモルト ロイヤルロッホナガー 1974 bottle no.2636 30年 56.2% ***
(香り) トップノートはエステリー、ややヌカっぽいところもある。わずかに荒さとアルコール感がある。しだいに熟成香が開いてくる、黒糖のような深い香りを伴って。
(味) 以外にドライである。フルーツの味わい。見え隠れするウッディな味わいが心地よい。
*** [No.3] ダンカンテイラー ピアレス ロイヤルロッホナガー オーク 1986-2009 cask no.942 100/116 22年 56.4% ***
(香り) ツンとシャープな香り。次にミント系の香りが立ってくる。やや穀物っぽい香りがする時がある。
時間とともにエレガントに変わり、奥には古い樽の香りが感じられるようになる、もちろん良い意味でのものだ。
(味) 古い樽香が素晴らしい。シャープでドライ、アルコール感がやや強い。軽くピートが感じられる。加水でフルーティーに変わってくる。
*** [No.4] シグナトリー ロイヤルロッホナガー リフィルシェリー cask no.427 20/640 1991-2007 16年 58.3% ***
(香り) 香りの立ちが遅い。ややヌカの香りがする。砂糖水の香り、やや薄っぺらい印象。熟成が足りないことに由来する甘みが感じられる。
(味) シャープでドライ。アルコール感が強く、やや熟成不足。
*** [No.5] ブラッカダー ロウカスク ロイヤルロッホナガー 220/260 1977-2005 28年 58.5% ***
(香り) エステリーでスウィート。たくさんのフルーツが現れる、ウッディーな樽香も素晴らしい。シェリー樽由来の香りも感じられる。
(味) アルコール感が強い。フルーティー、さまざまなケーキの甘い含み香が現れるが、フィニッシュはドライで甘さを引きずらない。しばらくすれば素晴らしい樽香が感じられるようになる。
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2009年05月23日
コニサーズクラブ(09/4/26)テーマ「カリラ」
山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。モルトの会、テイスティングノート
2009.4.26 スタンドバーにて
今月のお題は、「カリラ」である。
カリラ、いわずと知れたアイラモルトのビッグネームだ。会においても何度となく登場している蒸留所である。
今回は長熟でピートは弱くなるかがテーマであったが、半分正解で半分不正解といったところか。
香りのメモをみるとピートの文字は一回しか出てこない、がしかし味には明らかにピートの文字が個性として記されている。
ピートを焚いたモルトでも熟成を経れば、ピート一色といった個性では無く、樽香、フルーティーさ、エレガントな香りな複雑さがあらわれ、味わい深いモルトに仕上がることを再認識した。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] カリラ アンピーテッド 8年(オフィシャルボトル)59.8% ***
(香り) トップノートはフルーティー、ミントの香りも。香りの立ちは遅い。しだいにいがいがした香りが出てくる。軽い酸味とハーブ、奥には甘い香りも。
(味) 軽いピート。うまみ成分を感じる。熟成由来の苦味を感じる時もある。
*** [No.2] ダンカンテイラー カリラ 1989-2204 bottle no.199 54.4% ***
(香り) フルーティーで色彩感豊かな香り、酸味が心地よい。しだいにバニラ香が強くなる。非常にエレガントな印象。
(味) 味もエレガントである。ピートは強く感じるが、酸味と甘みがあり味わい深い。ピートは強いが、ピートだけに支配されないモルトといえよう。
*** [No.3] ブラッドノック蒸留所 会員限定ボトル カリラ ホッグスヘッド 1983-2008 bottle no.4809 149/253 24年 54.3% ***
(香り) トップノートは軽くヌカの香り、次にピートを感じる。すぐにヌカは消え去り、ミント系の上品な香りに変化してくる。
(味) 中程度のピート、極めてシャープなピートだ。ピートだけの個性ではなく、フルーティーな味わいも素晴らしい。
*** [No.4] シグナトリー カリラ ホッグスヘッド cask no.04/795 93/243 1979-2005 25年 58.4% ***
(香り) 軽いヌカの香り。まったりと濃い香りで深みを感じる。やや重い印象ではある。
(味) 中程度のピート。ピリピリと刺す、アルコール感が強い。
*** [No.5] キングスバリー カリラ バーボンカスク cask no. 12618 1974-1998 23年 60% ***
(香り) ヌカっぽいトップノート。しだいにフルーツ香が強くなり、トロピカルフルーツがたくさん現れる。
(味) 味はピートが支配する。心地よい酸味がバランスしている。ややピリピリ感があり若さと感じるときがある。
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2009年04月27日
コニサーズクラブ(09/3/22)テーマ「スキャパ」
山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。今月のお題は、「スキャパ」である。
オークニー島の蒸留所といえばハイランドパークがあまりにも有名であるが、それに隠れてもう一箇所スキャパ蒸留所がある。
スパイシーかつドライな印象のモルトと記憶していたが、今回の5本もそんな印象であった。
特に特徴という特徴がないモルトではあったが、出来自体は悪くない。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] スコッチモルトセールス スキャパ 1989 18年 54.2% ***
(香り) トップノートはエレガントでドライ。すぐさまフルーティーな香りが立ってくる、爽やかなフルーツだ。軽くミントも香る。
しだいに香りはまったりとして濃厚に変化してくる。熟成由来のキャラメル香が素晴らしい。
(味) まずウッディな熟成感が広がる。ドライではあるがじっくりと向き合ってほしいモルトだ、時間とともに味の数が増えてくるのだから。
*** [No.2] マキロップチョイス スキャパ 1989-2204 bottle no.199 54.4% ***
(香り) ややくさみのあるトップノート、しかしそれはすぐに消えていく。しだいにベリー系のフルーツが香り、さらにババナの香りも。その香りは時間とともに濃く甘く変化していく。
(味) ややアルコール感が強い、ドライ。にがみやピリピリ感があるが、邪魔になるほどでもない。
*** [No.3] ダンカンテイラー スキャパ オーク 1977-2006 cask no.2832 95/186 28年 59.4% ***
(香り) トップノートは灰臭い香り。ドライで水っぽい、しだいに酸味とともに繊細で上品に変化していく。わずかにアルコール感がある。
(味) ドライではあるがフルーティー。甘いふくみ香もある。やや味の数が少ない。
*** [No.4] エイカーダイグ スキャパ 1989-2004 60% ***
(香り) 軽い香り、わずかに臭みがある。しだいに酸味とともに、まったりとふくよかな香りとなる。
(味) 花のようなふくみ香。ドライでややアルコール感が強い。やや硬く、あと少しの熟成が必要。
*** [No.5] チーフテインズ スキャパ シェリーカスク 1982-2005 cask no.550 22年 57.9% ***
(香り) こってりとした印象。シェリー樽由来の香り、硫黄の香りがあるが嫌味にならないぎりぎりのものだ。しだいに甘みと酸味が強くなる。
(味) ピリピリとスパイシーな個性。味にシェリーの嫌味は無い、リフィルシェリー樽熟成か。香りに較べると味の数は少ない。
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2009年03月21日
コニサーズクラブ(09/2/28)テーマ「ノースポート」
山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。今月のお題は、「ノースポート」である。
東ハイランドの蒸留所のひとつであり、もちろん閉鎖蒸留所である。東ハイランドのモルトといえば、これといった特徴がなくハウススタイルも曖昧な印象が拭えず、そのためか閉鎖されている蒸留所も少なくない。
ノースポートもそんな無個性の蒸留所のひとつと考えていた。今回テイスティングをして、印象をくつがえすようなことはなかったが、モルトの出来は悪くない。いやむしろ通好みの渋いモルトといってよい。こんなモルトが出来るのであるから、取り壊されたのは残念でならない。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] スコッツセレクション ノースポート 1980-2004 58% ***
(香り) ドライでシャープ、香りの立ちが遅い。香りがひらいてくるとフルーツが多数あらわれる。軽いピートが感じられるがすぐに消えてしまう。しばらくすると酸味と甘みが広がるようになる。
(味) フルーティーかつ熟成を感じるあじわい。ウッディで軽い酸味をともなう。味の数は少なくはないが、どれも弱いものだ。
*** [No.2] ダンカンテイラー ノースポート オーク 1981-2005 cask no.774 188/620 24年 58% ***
(香り) ややひねたトップノート。すぐにエレガントに変身する、繊細な香りだ。しだいに軽くはあるがトロピカルフルーツの香りが立ってくる。さらに時間をおけば、軽いキャラメル香とジンジャエールの香りがあらわれる。
(味) ややアルコール感が強い。フルーティーかつ熟成由来のウッディーな含み香が素晴らしい。
*** [No.3] シグナトリー ノースポート 1976-2006 cask no.3886 157/222 29年 58.2% ***
(香り) エレガントでさわやか。上品な熟成感、ただし軽いものである。酸味と甘い香りがバランスしている。奥には上質な木の香りも感じられる。
(味) 枯れた、絶妙のピート。わずかだが熟成由来のウッディーな含み香。じっくりと呑み直してみたい酒である。
*** [No.4] マキロップチョイス ノースポート 1976-2001 58.6% ***
(香り) ややひねたトップノート。しばらくすると枯れた熟成香が立ってくる。さらに時間を経ればトロピカルフルーツが現れる。香りの数が多く、長い時間楽しんでいられる。
(味) まず、ひねた香りを感じるが、すぐに爽やかなフルーツにかき消される。ライチの香りが特徴的だ。さらに熟成由来のウッディーな味わいが広がる。
*** [No.5] レアモルト 1974-2006 32年 49.4% ***
(香り) 弱いトロピカルフルーツのトップノート。フルーツは上質で、いつまでも香りで楽しんでいられる。
(味) 酸味と軽いにがみ。1960年代後半に蒸留されたモルトによくある苦味だ。しだいに熟成感が現れ深みが増すが、フルーツ感も悪くない。
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2009年02月27日
コニサーズクラブ(09/1/25)テーマ「長熟50%以下」
山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。今月のお題は、「低アルコール度数の長期熟成の 50%UNDER」である。
以前のテーマで「アルコール度数が高いと美味いか」の逆で「アルコール度数が低くても美味いか」をテーマとしている。
結論からいえば、度数が低くても美味いが、やはり香りの立ちが遅かったり、軽いイメージがあるのは隠せない。どこか枯れた印象を持ってしまうのである。
もちろん、25~30年熟成のモルトなので美味くないわけがないが、驚くような個性もないことは確かである。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] ダンカンテイラー ピティーバイク オーク 1979-2005 cask.no5632 084/256 26年 45.9% ***
(香り) 軽くエステリー。軽いピートを感じる、いがいがとした香り。北ハイランド系の香り、それも枯れたものである。しだいに酸味やエレガントな香りが立ってくる。
(味) 高価なフルーツの饗宴。次から次へと、さまざまなフルーツがでてくる。
*** [No.2] モダンマスターズ ダラスデュー 1975 46.5% ***
(香り) 軽くエステリー、エレガントでスイート。極めて上質のフルーツ香。
(味) あっさりとしたフルーツ、やや枯れた味わい。砂糖水のように感じるときもある。
*** [No.3] シグナトリー ダラスデュー シェリー 1975-2006 cask no.1493 142/184 30年 46.9% ***
(香り) トップノートはエステリー。ややひねた香りを感じる時もある。軽いピート香。上品でバランスした個性、しだいに甘さとバニラ香を感じるようになる。
(味) 枯れた、絶妙のピート。わずかだが熟成由来のウッディーな含み香。じっくりと呑み直してみたい酒である。
*** [No.4] シグナトリー リンリスゴー 1975-2005 cask no.96/3/38 152/343 29年 48.7% ***
(香り) ややひねたトップノート。しばらくすると枯れた熟成香が立ってくる。さらに時間を経ればトロピカルフルーツが現れる。香りの数が多く、長い時間楽しんでいられる。
(味) わずかなピート。ドライで甘さが非常に少ない。
*** [No.5] SMWS(スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ)No.104.7 グレンクレイグ 1974-2006 32年 49.4% ***
(香り) 青空のように澄んで爽やかな香りだ。みずみずしいフルーツ香。
(味) ライチの含み香。さらにトロピカルフルーツがたくさん現れる。熟成感も十分でウッディーな味わいが素晴らしい。
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2009年01月23日
コニサーズクラブ(08/12/21)テーマ「余市」
山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。モルトの会、テイスティングノート
2008.12.21 スタンドバーにて
「余市」、日本を代表するモルトのひとつである。
山崎のモルトに較べると無骨で個性的なものが多く、洗練といった観点では一歩譲ると感じていた。
ところが今回の5本をテイスティングしてみて印象が変わったのである。実に綺麗で繊細、かつふくよかで深みのあるモルトと感じた。実力としてはまったく山崎に引けをとらない。
蒸留所のハウススタイルとして、無骨、ピート、濃厚なイメージで商品化していると考えるが、今後、繊細さ、複雑さを備えたモルトも商品化されていくのであろう。
また今回のボトリングの中にはミズナラ樽熟成を感じさせるモルトもあり、今後のリリースに目を離せない。
さて、そんなモルト5本を紹介しよう。
*** [No.1] SMWS(スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ)No.116.5 1986-2005 18年 50.5% ***
(香り) エレガントでエステリー。非常に上品で、香りの項目にマイナスの項目無し。しだいに軽いピート香がでてくる、さらにオレンジ香も。
奥にはクルミの香りも感じられる。さらに時間をおけば、甘いバニラ香が出現する。まったりとしてふくよかだ。
ライトからミディアムボディ。
(味) ウッディな熟成感が素晴らしい、酸味が心地よい。ピートも感じられるが角の取れたものである。
*** [No.2] ウイスキーマガジン エディターチョイス 余市 1985-2007 50.7% ***
(香り) 実に綺麗な香り、明るく鮮やか。爽やかな酸味。時間が経ると深みがでてくるが、軽い臭みも現れる。軽いピート香。さらにバタースカッチの香りも。
(味) まずピートである、鮮やかな酸味が心地よい、さらにフルーティー。ブローラの個性か。
*** [No.3] SMWS(スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ)No.116.12 1986-2008 21年 54.2% ***
(香り) ややヌカを感じるが、すぐさまスィートに変化する。酸味が心地よく、濃いフルーツがどんどん現れる。非常に深みのある香りだ。
(味) ピートが強い。酸味が心地よく、たいへん深みがある。ほどよく熟成しており、おだやかな味わい。うまみも感じられる。
*** [No.4] 余市 1987 オフィシャルボトル 20年 55% ***
(香り) 非常に綺麗でエレガント。しかも熟成由来のウッディさが素晴らしい。有機溶剤系のエステル香も爽やかで鮮やか。フルーツ香も申し分ない。
(味) まずウッディな含み香が広がる。酸味を感じたあと、様々なフルーツが次々と出てくる。しばらくすれば、バニラ香や熟成からくるにがみも感じられ、味の数は非常に多い。
ミズナラ樽の個性も感じられる。
*** [No.5] 余市 12年 オフィシャルボトル 70thアニバーサリー 58% ***
(香り) トップノートはエレガント。エステリーで深みがある。しばらくすればバニラの香りが立ってくる。シェリー樽熟成からバーボン樽熟成に変化してくる感じだ。
(味) アルコール感が強い、ただし熟成不足の印象は無い。渋味とフルーツの両立。軽いピート。一見単純ではあるが、味の数は少なくない。
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